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2007年11月 2日 (金)

冷蔵庫の閉め方

 冷蔵庫は生まれた時から家にあった。
 年代によって、生まれた時の状況は違う。

 テレビが白黒だった
 洗濯機が二層式だった
 電話がなかった
 テレビゲームがなかった
 携帯がなかった

 冷蔵庫はそのどれよりも先輩格
 テレビを見ない日はあっても冷蔵庫を開けない日はない。

 旅先でホテルにチェックインすれば、まず冷蔵庫を開ける
 一度抜いたら課金されてしまうジュースがびっしり入っていることもあれば、がらんとして何も入っていないこともある。
 製氷室がついているもの、冷凍庫もついているもの。
 風呂に行くにしろ、町に出るにしろ、冷蔵庫を見なければ夜が始まらない。

 物心付いた子どもから老人まで、誰もが開けている冷蔵庫。
 実はその「閉め方」に人柄が出る。

 職場で席の隣りに冷蔵庫がある。
 恐らく1980年頃の製品で、冷凍と冷蔵の2ドア、高さ150cmとそこそこ大きい。
 一日に20人ほどが冷蔵庫を開けに来る。
 お目当てのものを取り出して、8割の人が20cm以上手前で手を離し、惰性で扉を閉める。

 ばたん
 これを毎日16回聞いていると、いい加減うるさくなってきた。

 冷蔵庫は静かに閉めてください!

 紙を貼ってみた。
 それまで、30cm手前から勢いよく締めていたおばさん二人が、なにやらひそひそと話している。
 やがて、冷蔵庫の近くは静かになった。

 一週間過ぎた。
 再び、ばたん!とやる人が現れた。
 貼り紙に目が慣れたのだろう。

 自分が日ごろ疑問も持たずにやっていることは、自分では気付かないものだ。



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