ITとICT
今日はまず、質問します。
あなたは ICT という言葉を知っていますか?
さぁ、どうでしょう・・
あ、そこの東京都の主婦の方、知らない?
そうですか。
大丈夫、あなたが普通です。
【 あいしーてぃー 】 Information and Communication Technology
情報通信処理技術
なんだ、ITにCが入っただけじゃないの。
また、どうでもいいような言葉を、暇な人がつくったのね?
そう思ったあなたは正しい。その通りです。
【 あいてぃー 】 Information Technology
情報処理技術
ITは 1999年冬から流行り始めた言葉。
1990年代初頭に流行したSISとの違いは、LANが一般的なものになったこと、インターネットが登場し、これらを前提とした技術である点。
EC(電子商取引)、Business Intelligence を実現するための技術の総称が IT。
1999年冬、初対面のコンピュータ技術者同士が、話題の切り口を求めて
「世の中、IT一色ですねぇ」
というように使っていた。
2000年に就任した森総理大臣が「イット」と誤読、以後、正しく読めるようになってからは、これでもかとばかりに IT(アイティー)を連呼して流行らせた。
「IT革命」は2000年の流行語大賞に選ばれた。
表彰式で壇上にあがったのは当時18歳だった木下斉。この言葉を作ったのは彼ではないが、「この言葉のコンセプトに最も合っている」という理由で選ばれた。
ITとICTは同意語。
ITという言葉は、使われ始めた時点でインターネットを前提としており、通信の意味も含まれていた。
「ICTのCは ユビキタス社会のコミュニケーションだ
と言い張る人がいるかも知れないが、ユビキタス社会なんてどこにもない。我々が住んでいるのは人間社会だ。
2005年、総務省は「IT大綱」を「ICT大綱」に改名した。
総務省は2007年には「ICTを環境にやさしく活用するために」というガイドラインを発表している。
IT(ICT)と言えば経産省、環境といえば環境省の縄張り。
総務省は「居場所づくり」「自分探し」に必至のようだ。
2007年、一部のコンピューターシステム従事者が ICT を使い始めているが、一般のサラリーマンはほとんど使わない。
ITとICT、どちらを使うかは個人の自由。
もし「これからはICTだよ」と力む人がいたら「新しい言葉をよく知ってるねぇ」と暖かい声をかけてあげたい。
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