旧1号とハイパーホビー
商品の分量を多めに錯覚させるための、容器の工夫を上げ底という。
アイスやプリン、駅弁まで食品には特に多い。
カップヌードルは麺を傷つけず、出来上がりの時に具が上に乗っていて見栄えばよいという理由で麺が底から2センチほど浮いている。日清はこれを「中間保持」と説明している。
ファンケルのシャンプーは長い筒に入っているが、実際は半分しか入っていない。なぜあんな高下駄を履かせるのかがわからない。
あの高さをよしとする消費者がいるのだろうか。
中味の保護などの理由はあるのだろうが、買ったほうにしてみれば、上げ底とわかった時はやはり興ざめする。
内容量が表示されている製品の場合、それも一つのテクニック。
長年、売り手と買い手はその慣習のなかにいるので、その技巧を以て断罪されることはない。
だが、消費者に錯誤を与える意図が明確な場合はどうか。
月刊誌「ハイパーホビー」(徳間書店)は仮面ライダー旧1号に関する唯一の情報源と言ってもいい定期刊行物だ。
この度発売された「ハイパーホビープラス」では「仮面ライダー旧1号の現在を語る」という特集も組まれている。
本格的な旧1号関連造形物を4点輩出したRMW(レインボーマスターワークス)は、この雑誌で毎号、情報がリリースされていた。
ここ数年、雑誌が売れなくなっているなか「特別付録」をつけることが有効な売り方として定着している。
元々、雑誌に大きな付録をつけることは物流業者に嫌われていて、書店も面倒な梱包作業を伴う付録を疎んじていた。
大きな研究教材がつく ある小学生向け月刊誌は、その付録のために書店物流から閉めだされ、学校や直販組織で売っていた。
だが、本に続いて雑誌も売れない今、背に腹は代えられない。
ハイパーホビーでも不定期に特別付録がつく。
以前に企画された「仮面ライダー旧1号ファイティングポーズのキーホルダー」は元からあった型にキーチェーンをつけただけと言えばそれまでだが、特別価格を払っただけの満足感があった。
旧1号ではないが、ショッカーライダー3号青マフラーは、これがなければHGコアを以てしても6人偽ライダーが完成できない貴重な品。本当に買ってよかったと思う。
そして2007年の暮れ、ハイパーホビー2008年1月号が書店に並んだ。
「特別同梱付録 仮面ライダー旧1号」 (TYPE2)
のクレジットが表紙にあり、どデカイ写真が目に飛び込んできた。
ハイパーホビーでは、表紙に載っているデカイ写真が付録ではなく、実は読者限定販売商品ということがある。それが付録なのか、プレミアム販売商品なのか、慎重に表紙を手にとり精査する。
どうやら、写真の旧1号が付録であることは、間違いないようだ。
興奮を抑えられない。今日この本屋にぷらっと立ち寄ったことを神に感謝した。この時、写真とふろくの箱の大きさを見て、頭にはこんな映像が浮かんでいた。
*縁日で買った500円のお面 右は大きさ比較のためのMIY
つづく
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