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2008年2月 2日 (土)

自殺とうつ病

 1998年に3万人を突破して以来、2006年まで9年連続で3万人を超えている。
 日本の自殺者数だ。

 2006年は32,155人、2005年の32,552人より微減だが、ほとんど変わりない。

 交通規則を厳しくすることで、交通事故の死亡者数は激減し、5000人台に減ったが、自殺は抑止策がない。
 本人にとって不本意な交通事故死に対して無策では困るが、本人意志による自殺死は、策を打って減るものなのか?と考える人もいるだろう。

 自殺原因の半分はうつ病である。
 そう臨床心理士磯部潮は書いている。調査データが添えられていなかったが、遠からず真理だろう。
 うつ病の自殺者は判断力を失っている。
 だから、もったいないのだと筆者は言う。

 警察庁のウェブサイトによると、年齢別自殺者では60歳以上が圧倒的に多い。
 全体の34.5%を占める。

 自殺原因は、家庭問題、健康問題、経済・生活問題、勤務問題、男女問題、学校問題、その他、不詳となっている。
 このように原因は「問題」でくくられており、そこに「うつ病」という概念はない。
 すべての問題に起因するうつ病が、自殺原因の半数を占めると思われる。
 ゆえに、うつ病と自殺の因果に焦点を当てた考察は、この統計からは生まれにくい。


完全自殺マニュアル」鶴見済 1993年7月
 クスリ、首吊り、飛び降り、手首頸動脈切り、飛び込み、ガス中毒、感電、入水、焼身、凍死、その他の11章
 どの方法が確実か、死体の状態はどのようになるかを知ることができる。

 この本は子供を持つ親、企業の経営者や管理職など"自殺されてしまう側"の人にとっても大変勉強になる。

 自殺の費用、遺族への迷惑については、同じ大田出版から9年後に出た次の書籍に詳しい。
「自殺のコスト」雨宮処凛 2002年1月
 自殺の費用対効果を冷静にまとめた書籍。

・電車に飛び込んだらいくら賠償金をとられるか
・ホテルで首吊りしたらいくら賠償金をとられるか
・自殺の場合、生命保険は出るのか
・自殺者遺族の年金額
・成功率、未遂率の高い自殺方法
・自殺につかうクスリの致死量と値段
 など、一度は自殺を考えたことのある人なら誰もが考える疑問の答えが並んでいる。

 これらの自殺を扱った本は読む以前に、対面販売では買いづらい。ネットで本が買えるようになってからは、地道に売れていることだろう。

 この2冊は決して、自殺を焚きつけるほうへは向かわない。
 このような本を買って、冷静に正確な情報を学ぶことで、わかってくることがある。

 中途半端にしか物事を知らない人に、誤ったアドバイスを受ける。
 人に限らず、すべての情報から自分を閉ざしてしまう。
 それがとてもよくないのだ。

(数字は警察庁のウェブサイトで確認した)



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