« 鶴見でぶーがる | トップページ | 責任を認めないメール会社 »

2008年2月26日 (火)

元姓

 離婚したばかりの女友達に結婚当時の名字を尋ねることはあまりない。

 ここに佐藤ケイコさんがいたとしよう。
 生まれた時、すなわち独身時代、彼女の姓は佐藤。

 大人になったケイコさんは田中工務店に入社して、職場の同僚鈴木イチローさんと恋をして、結婚した。
 ここで彼女の姓は鈴木。会社でも鈴木ケイコと名乗り、旧姓佐藤となった。

 やがて時は流れて、ケイコさんはイチローさんとの関係がうまくいかず離婚した。
 部署は違うけれども、依然としてイチローさんもケイコさんも田中工務店に勤めている。

 ケイコさんは離婚したことをふれて回るようで気が引けるので、社内では鈴木姓を名乗り続けることにした。

 さて、ここでいう、ケイコさんにとっての鈴木姓は何姓だろうか?
 旧姓というのは、独身時代の姓をいう。
 ケイコさんが鈴木姓に戻したらならば「旧姓に戻しました」ということになる。
 だが「結婚していた当時の姓」をぴたりと言い当てる代名詞が公認されていない。
 前の姓だから、前姓でもいいだろうが、それでは霊視能力者かと思われてしまう。

 旧でもなくて、前もだめ、そこで日本における「これより前」を言い表す言葉に何があるのかと探していくと、行き着くのは元。

 元姓ならば4文字だし言いやすい。
 まぁ言いやすさがすべてではないが、消去法の選択肢としてはやむを得ないと思う。

 NWA世界ヘビー級チャンピオンの場合、前王者ハリー・レイス、元王者ジャック・ブリスコというように、元は前の前という意味で使われる。

 前の前・・と言い出すと、2度離婚したのかとか、それを言うならば旧姓だろうとか話がややこしくなる。

 ここは、皆さんダマされたと思って、今度から「元姓」と言うことにしましょう。



| |

« 鶴見でぶーがる | トップページ | 責任を認めないメール会社 »

くらし」カテゴリの記事