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2008年2月 3日 (日)

選手獲得と移籍市場

 プロ野球では、NPBからMLBに無尽蔵に選手が流れていく。
 これは、MLB側に国籍の制限がないためだ。

 海外移籍に歯止めをかけようというつもりなのか、NPBは2008年シーズンオフから、国内移籍7年、海外移籍9年というようなFAの段階的取得を導入する見通し。

 【 例1 】サトウ選手
 ドラフト会議では選択権がないため「12球団OKです!」と明るく振る舞って、某不人気球団にはいる。
 7年でFAを取得すると、すかさずメディア露出度が高い球団に移籍する。  4年後に、隠していたMLBへの憧れが押さえきれなくなったとMLBカミングアウトして、MLBへ移籍する。
 【 例2 】スズキ選手
 ドラフト会議では選択権がないため「将来はメジャーが夢です」と言いつつ、某球団にはいる。
 9年でFAを使い、MLBに移籍する。

 日本に引き留める年数が、9年か11年かの違い。
 姑息さは否めない。

 野球とサッカーでは、プロ管理団体の基本姿勢が違う。
 野球はタイトル(優勝)と絡まなければ客は来ないと考え、
 サッカーは勝てない時も客を呼ぶには、どうすればよいかを考える。

 限られた球団数という保護された経営環境の野球
 一部、二部、三部・・と弱肉強食環境のサッカー
 ここに、選手獲得と移籍市場の根本的な質の違いがある。


 NPB選手はMLBから引く手あまただが、Jリーグ選手は欧州からの引き合いが少ない。
 欧州サッカーでは日本国籍は非EU圏国籍。
 欧州クラブは、商業的な理由だけで日本国籍選手を獲得するわけにはいかない。
 非EU圏枠に潜り込むには、欧州選手と同等ではなく、欧州選手以上のレベルが求められる。

 現実的には、欧州レベル以上の技量を乞われているのは、中村と松井の二人。
 あとの "欧州組" は高年俸の南米選手を獲得できない中小クラブが、欧州レベル並の技量、手頃な値段、商業効果を秤にかけて獲得しているといえる。

 非EU圏という括りができたきっかけは「ボスマン裁定」にある。
 書籍、雑誌によっては「ボスマン判決」と表記されることもある。

 ボスマン判決は、フットボール選手にとってEU圏内の移籍が自由化される後ろ盾となった判決。

 1990年、ベルギーリーグ RFCリエージュ所属のジャンマルク・ボスマンが自由移籍を求めて訴訟を起こす。
 1995年12月、EU司法裁判所は次の決定をした。
クラブは保有権(パス)を盾に移籍金を請求することはできない。
EU圏のクラブはEU圏選手については国籍による選手枠の制限を設けてはいけない。

 この判決により、
 EU圏の国内リーグでは、外国人枠が撤廃され、クラブは国籍が違うEU圏の選手を何人抱えてもよくなった。
 選手は契約期間が終了した後、EU圏のどのクラブとも自由に交渉できる。
 ただし、アジア、南米、アフリカなど非EU圏の選手については制限枠がある。
(試合の登録・出場3人まで)。

 デコを例に取ると、デコはFCバルセロナと2009-10シーズン終了までの契約を結んでいる。
 契約が満了した2010年6月までにクラブが契約延長を求めず、デコが他クラブに移籍した場合、FCバルセロナは移籍金を請求することはできない。

 もし、FCバルセロナ側に契約延長の意志がなく、幾ばくかの移籍金を手にしたいと考えるならば、契約満了以前、たとえば2008-09シーズン終了時(2009年6月)に、他クラブと移籍交渉をまとめる必要がある。

 デコの移籍金(=契約解除違約金)はおよそ100億円に設定されている。
 しかし、この設定金額が満額支払われることは希で、大概は2つのクラブ間の話し合いで金額は決められる。

 移籍先クラブ「20億円でどう?」
 移籍元クラブ「25億円ならいいよ」

 といった、駆け引きが行われるのである。
 選手によっては、契約期間途中での移籍の拒否権を契約に盛り込んでいる。
 ただ現実的には、自分を売ろうと思ったクラブに居続けるよりは、乞われて新天地を求めたほうが健全と考え、移籍を承諾するケースが多い。

 RFEFは「プリメーラ・ディビシオン(リーガ一部)では、スペイン国籍選手を最低限*人以上出場させる」というルール改正を検討しており、今後、スペイン国籍取得者が増えるだろう。

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