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2008年2月27日 (水)

責任を認めないメール会社

「昨晩から転送したメールがこなくなった」
そんな問合せがユーザーから相次いだ。
 **日の16時過ぎ、時を同じくして、すべての転送メールが届かなくなっていた。

 会社のアドレス宛に届くメールを携帯電話に転送している人が多い。
 メールに縛られてかわいそうな人生だと思うが、本人がそれを望んでいるのだから仕方がない。

 トラブルが起きた時、順を追って問題を切り分け、原因を絞り込む。
 複数のユーザーにインタビューしていくと、やがて、どこに原因があるのかが見えてくる。

 最初にメールサービスを委託している業者に確認した。
「うちのサーバーからは出ているんですが、●●さん(携帯電話会社名)が受け取ってくれないんですよ」
明快な答が返ってきた。

 今回、すべてのクレームに共通していたのはキャリア(携帯電話会社)
 通常のメールサービスに問題は発生していない。
 こういう場合、そのキャリアを疑うのが初動になる。

 そのキャリアのホームページを見た。
 何も書いていない・・

 キャリアのユーザー窓口に電話した。
 何も起きていないという。

 キャリアの営業担当者に問い合わせた。
「すぐ調べます」
という答えが返ってくるかと思ったら
「調べますから、該当の電話番号を一つください」

 しばらくして
「やっぱり、メールアドレス、サーバーIPアドレスもください」

 またしばらくして
「転送元のメールアドレスもください」
 最初のやりとりから、ここまでで1時間が過ぎた。

 初動が弱い会社だ。
 このようなやりとりがあると、その業者がクロであるという心証が深まる。

 ただ、ここで一つ慎重を期した。
 ユーザーへ情報を開示する「障害情報」のページでは、あえてその社名を伏せた。
 明らかにクロと思えても、まだその業者が「ごめんなさい」と認めたわけではない。

 原因究明は進まず、解決を見ないまま20時間が過ぎた。
 すると、その頃から「@niftyに転送したメールがこない」「■■(携帯電話会社名)もこない」といった、他キャリアの障害事例が出始めた。

 そして第一発見から24時間が過ぎた頃、メールサービス会社から「ごめんなさい」文書が出てきた。
 真っ先に「●●さんが受け取ってくれない」と言った、あの会社である。
 その日、行ったメンテナンスでミスがあり、すべての転送が止まっていたという。

 この会社は、その後、営業担当者がわびを言いにくることもない。
 恐らく、この会社の上司は部下が、ユーザーに迷惑をかけたことすら知らないのだろう。





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