日本人を殺していいか?と問うオーストラリアの国営放送
3月9日(日)CXのニュース番組「プレミアA」
滝川クリステルが受け持つ「先取りMONDAY」で興味深い映像が流れた。 ここでは番組で紹介された順ではなく、時系列に並べて列記する。
2006年7月14日
オーストラリアのテレビ放送局 ABC
番組「The Chaser's war on Everything」
日本の調査捕鯨についてとりあげている。
二人の男性が対談していて、片方がこういう。
「(日本の)調査は(クジラの)殺し方の調査」
「相手をより深く理解するためには、大切なものでも殺さなくちゃならないんだ」
紹介映像は取材風景に切り替わる。
当時の上田秀明オーストラリア駐在大使に無許可取材、インタビュアーがこのように問いかける。
ABC「日本とオーストラリアの関係をよくするために、私たちも研究目的で日本人を殺していいですか?」
君はなにを言っているんだ?と気色ばむ上田大使に、さらにこう続ける。
ABC「もし何人か殺せたら もっと日本人を理解できます。 たとえば、妊娠歴とか食生活とか」
失礼だぞと言って、その場を立ち去る上田大使。
つづいて街頭取材の映像。
捕鯨に使う銛(もり)を模した玩具を持ったタレントが、日本人観光客にインタビュー。
「調査目的で、あなたを殺していいですか?」
日本人が、あはぁっと笑ったところで、タレントは銛を日本人観光客に向かって打ち込む。
「調査目的です」と叫びながら。笑いながら逃げる日本人。
つづいてもう一つの映像(番組ではこちらが先に紹介されている)
2008年2月3日
オーストラリアのテレビ放送局 Prime
番組「Weekend Sunrise」
調査捕鯨船に侵入して拘束されたシーシェパードの隊員が出演。スタジオと港をつないでインタビューに答える。
キャスター「よくやりましたね。クジラを100頭以上助けたんじゃないでしょうか?」
隊員の声は他愛ない自慢話なので省略。
キャスター「次の航海もがんばってください」
2006年の番組でABCのインタビュアーが 「妊娠歴とか食生活とか」 を持ち出したのは、日本の調査捕鯨でクジラの内臓を解剖して、クジラの捕食状況を調べていることへの皮肉である。
クジラは大量のイカや魚を噛まずに飲み込んでいるので、胃の中身をみれば、どの魚をどれくらい食べているかがわかる。
クジラが増えすぎて、人間の食べる分までクジラが食べてしまっているということを明らかにするために、解剖は必要なのだ。
クジラを殺して解剖する日本人が許せないから、お返しに日本人(人間)を殺して解剖するというのだから、オーストラリアの人はよほど頭にきていたのだろう。
ABCは政府の資金で運営されている。
よくNHKのことを国営放送と言う。だが、受信料という国民の拠出で運営されているNHKは、国営放送と言うよりは民営放送だ。
だが、ABCはカタールにおけるアルジャジーラと同様、オーストラリアの国営放送だ。
オーストラリアの国営放送が、日本の駐在大使に「日本人を殺して解剖したい」と申し入れたのだから、これはオーストラリア国家の意思の代弁とみなされても仕方がない。
今日もたくさんの日本人が笑顔でオーストラリアに向けて旅立ち、コアラを抱き、地球の中心を目指す。
日本ではたくさんの人が彼の国の牛肉で食卓を囲み、美味しいねと幸せに浸っている。
日本人は一度もオーストラリアや米国に
「牛を食べるな」
「牛を殺すな」
「牛を日本に輸出するな」
と言っていない。
クジラが絶滅するとする彼らの説に対して、日本は調査捕鯨を通して、事実と違うということを明らかにしてきた。
確かに頭数が少ない種類もいるが、そんなレアなクジラを獲るとは日本は言っていない。
フジテレビがここまで温存していたのか、最近になってどこからか売り込みがあったのか知らないが、ABCの暴走取材はもう 2年前の話だ。
捕鯨推進、捕鯨反対 両者は長らく話し合わず戦ってきた。このような敵失でさらに戦いを大きくするのではなく、戦いから話し合いへ落としどころをつけるきっかけとする外交手腕をみたい。
2年前、この一件が何の外交カードに使われることもなく”内々で””穏便に”片付けられたのであれば、なんと情けないことか。
ひきつづき、この一件の顛末を注目したい。
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