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2008年3月 5日 (水)

7桁郵便番号になった10年

 郵便番号が5桁から7桁に変わったのは 1998年2月2日
 ちょうど10年が過ぎた。

 7桁化は郵便のコスト削減が目的とされていた。
 数値部分を増やすことで、OCRによる郵便番号自動読み取り機の仕事の幅が広がる。
 それまで人がやっていたことを機械に任せるというのが大きな理由だ。

 また、長期にみて物流の量を確保するための郵政省(当時)の戦略と見ることもできた。

 郵便配達員がポストに入れていく不在配達を例に取る。
 コンピューターが自動応答するコールセンターに電話して、お客がプッシュホンで入れるのは郵便番号、電話番号、伝票番号。今は氏名を音声認識で言うこともない。
 このような無人の仕組みにより、郵便局も宅配便並のサービスになった。

 7桁化以降、郵便番号は郵便局だけでなく、宅配便各社も積極的にキーとなる情報として利用を始めた。7桁化は業界全体のサービス向上につながり、消費者は便利になった。
 番号をつけるとすぐ、召集令状と結びつけて考える人たちも、世の中の標準になると何も言わなくなる。

 7桁郵便番号を書くと市区郡名までは省略できるが、町名は省略できない。
 2003年に確認した時、郵政省は言っていた。

 以下のように省略できるということだ。
 【例】
 〒202-0001
 ひばりが丘1丁目-0123

 〒202-0001 を日本郵便(現在の社名)ホームページで検索する。
 この7桁で表示される候補は
 西東京市ひばりが丘1丁目
 西東京市ひばりが丘2丁目
 西東京市ひばりが丘3丁目
 西東京市ひばりが丘4丁目

 実際には、7桁の中には町名情報まで含まれている。
 郵便番号による自動仕分け機が配達準備をすることを前提とすれば、以下のように町名まで省略しても、郵便は届くはずだ。
 【例】
 〒202-0001
 1丁目-0123

 "ひばりが丘" は書かなくても、恐らく郵便は届くはず。
 ただ、戸口まで届けるのは郵便配達の方なので、確認の意味で書いておいたほうが無難ということだろう。

 ***-0000 のように下4桁が0の郵便番号の中には、実在しないものがゆうびんホームページで紹介されているケースがある。

 ***-0000 以下に掲載がない場合

 上のように、ゆうびんホームページに書かれている場合、その番号は実在しない。
 これは「仕方がないから 0000 を書いてください」という便宜的なもの。

 市町村合併、区画整理など、何らかの理由により、まだ郵便番号が整備されていない場所はあちこちに存在する。そういう場所には 0000 を書いてもらう。

 郵便番号自動読み取り機では、エラーとなるだろうが、郵便配達の係員が見れば、どこに配達すればよいかすぐわかる。
 機械ではエラーでも、人間ではエラーにならない、こういうことを「便宜的な運用」という。

 実在しない郵便番号は、郵便番号辞書データに掲載されていない。
 すべての***-0000 が実在しないのではない。
 ***-0000 という実在する郵便番号もある。
 実在する郵便番号は郵便番号辞書データに掲載されている。

 郵便番号辞書データを業者から購入して、自社のコンピューター・システムに利用している場合、実在していない番号はエラーとなる。

 ないものはないのだ。コンピューターは
「ホントはないけれど、まぁあることにしておくか・・」
 というようには考えられない。

 ユーザーの中には、コンピューター・システムでエラーが起きると、ゆうびんホームページで調べて掲載されていることを確認。それを盾にとって、
「実在する郵便番号が、コンピューターでエラーになる」
と、まるでツチノコでも第一発見したかのように大騒ぎする人がいる。

 "郵便局が発表するものは絶対である"
 この刷り込みが強烈なのだ。
 こういう人は
「テレビで言っていたから」
「新聞に書いてあったから」
 と、なにかの基準をもってして 絶対を譲らないだろう。

 情報は他の権威に因り絶対なのではなく、自分の判断を持って、絶対なのである。



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