ひたち7号
以前、東京駅で成田エクスプレスのホームがわからず、駅の端から端までダッシュしたことがあった。
都会の駅は難しい。
ひたち7号は満席。ランナーの姿が多い。
隣の男性(推定年齢40歳)もその風情。ずっと文庫本を読んでいる。
いつもは電車には本を持ち込むが、今日は少しでも脳を休ませるために本は無し。だが、こうしてブログ用のメモを書いているのはどうなのか・・
4号車がグリーン、指定が1-3.5 グリーン車が指定の端っこではない。
自由席からはみ出してくる客の緩衝として5号車を置き、グリーンの静寂を守っているのだろう。
そういえば女性専用車両というのは、最近報道されないが、今も続いているのだろうか。専用車があるのも善し悪しで、女性が専用車両以外に乗った時、周囲の視線が刺さるのではないだろうかと思う。
電車は荒川の橋を超えた。グリーンのセンターラインでわかる。3人が朝のジョギングしていた。
松戸を出ると雲が厚くなってきた。大会関係者や応援の皆さんには悪いのだが、正直なところほっとする。
レースの体験を2度3度と積むほどに不安は薄らぐが、緊張は増すようだ。
こうした緊張をほぐすため「自信カード」をつくっておいた。
練習での10kmタイム、予想タイム、腕立て伏せ・腹筋の回数を書き出してある。
カードをみて自信を確認する。 「大丈夫だ」「絶対いける」
松戸から乗ってきたランナーもいる。
「そこ3のAですよね?」
どうやら空いている席に座っていた先客がいた様子
「いや、私飛び乗っちゃったから」
そそくさと席を立ち、去っていくおばちゃん。そこは言い方違うよ。まず「ごめんなさい」でしょ・・
と思いかけて、すぐ忘れる。
怒りは痛みにつながる。かつて「腰痛は怒りである」という本を読んだだけで、長年の椎間板ヘルニアが治ったことがある。
マラソンの前は風のように自然体でいなければならない。
8:50 土浦に到着。初めて踏む土浦の地。
駅のトイレは数珠つなぎのランナーたち。
総勢2万人だけに、場違いな人の波が駅から会場に向かって伸びている。横断歩道ごとに警察官が出て、懸命に交通整理をしているが、信号もないところを渡って、車を急停車させるランナーたち。
「地獄に堕ちたらいいのに」
とは思わずに、いやぁランナーならば、もう少しマナーをよくすればいいのにと思う。
9:20 レース前のお約束、ベスパ(735円) 毎回続けている。
脂肪から先に使い、グリコーゲンを温存するスペシャル・ドリンク。
同様の製品はVAAMが元祖だが、こちらの方がよいと店員さんに勧められた。
メイン会場は見るからに混乱している。
人数ならば、東京マラソンのほうが多かったのだが、それと比べて明らかにここは浮き足立っている。
レース前の必須アイテムは意外にもレジャーシート。雑誌の付録についていた小振りなもの。これ1枚あれば、どこでも座って準備ができる。
荷物を預ける場所がわからない。同じように荷物を持ってきょろきょろしているランナーが大勢いる。
ボランティアのユニフォームを着たおばちゃんに尋ねてみたが「わからない」
それはそうだ。ボランティアには、持ち場の教育しか行われていない。持ち場以外の情報は何も持っていないのだ。
東京マラソン・ボランティアで荷物預かりに配置された時も、これらの荷物トラックがどのように並んでいるのか、わからなかった。ランナーからの「自分はどっちへ行けばいいの?」という質問に、まったく答えられなかった。
同じように迷っている人並に混じっていると、荷物預かり場所(テニスコートだと後でわかった)に着いた。入口でビニル袋を受け取り、荷物を詰めてナンバーカード毎に区画された列に並ぶ。
「確か100円要るんだよな」
隣にいた2人組の声で、チャリティで100円をお願いしますと説明書にあったのを思い出した。デイパックの外ポケットに入れておいた100円玉を取り出す。
2人組はなかなか財布が出てこないようで「このシステム、間違ってないか?」と笑っている。
ウォークマンには85曲 6時間分の「かすみがうら」セットリストを入れてきた。マラソンも3度めとなると、走りに向く曲、向かない曲がわかる。
いつかは、余裕の走力を手に入れて、音楽に頼らずに走りたい。
でも今はまだその時ではない。音楽のない6時間は、クールな脳を維持するには、あまりに長い。
スタート10分前、9:50にスイッチを入れて、誤作動防止の HOLDに切り替える。目標タイムが守れれば、82曲めでゴールすることになっている。
4月28日に続く
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