マラソンの天候は快晴が望ましい理由
2007年2月、第1回東京マラソンが行われた日。
東京は朝から大雨
お昼にはあがり、制限時間の16時頃には薄日もさした。
雨の中を走るランナーに、テレビ中継のアナウンサーがこう言う。
「あいにくの雨ですね。晴れたらよかったんですが」
すかさず、解説者がつなぐ。
「いや、雨の中は意外と走りやすいんですよ。晴れるよりは記録もいいし」
走り終えたランナーはテレビカメラの取材にこう答えていた。
「雨は気にならなかったです。沿道の声援が後押ししてくれました」
雨なのに、皆、笑っている。
それは、日本人に新たな価値観を示した。
このやりとりを、マラソンを走ったことはない運営スタッフの佐藤さんは微笑みながら聞いていた。
「へぇ 雨って、ランナーは気にならないんだねぇ」
だが、心の中では違うことを考えていた。
「なにが走りやすいだよ。そりゃ好きで走ってる人はいいよ。雨でも風でもさ。
だけどこっちは休日出勤して、おまけに1日じっとしてるんだから、寒くて仕方ないよ」
同じくこのやりとりを、ボランティアをした鈴木さんが自宅に帰って、夜のテレビで見た。
「そりゃランナーはいいよ。東京メトロのポンチョ着て走れるんだから。でもボランティアは、規則でユニフォームの上に合羽着ちゃいけないっていうから、パンツまでびしょ濡れでさ。
ランナーが来る前から準備して、帰った後の片付けまでまる1日だよ。晴れて欲しかったよ」
沿道に応援に行こうと思っていた田中さんは、朝起きて雨だったのでテレビ観戦に切り替えた。
私設エイドを出そうと思っていた佐野さん一家は、雨でおむすびがべちゃべちゃになるのでやめた。
気温があがり20度を超えるようだと、エリートランナーの記録が伸びないだけでなく、地力がない素人ランナーも苦しい。
だが、すべてのマラソンが世界記録を狙う大会ではない。
大会スタッフ、ボランティア、沿道の応援、私設エイドを出す人
走っている人は体温が上がるが、止まっている人にとって、春先はまだまだ冷える。
大会を取り巻くすべての人に思いをはせれば、天候は快晴が望ましい。
明日4月20日は、全国各地でマラソン大会が行われる。
(しらべるでマラソンと書くのは 42.195km の大会のみ)
この週が、春マラソン最後の開催ピーク。
これから秋マラソンまで、しばらくオフに入る。
かすみがうら 6時間
津山加茂郷 6時間
掛川・新茶 5時間
全国健勝マラソン日本海 5時間
長野 5時間
(大会名 制限時間)
各地の快晴を祈る。
いや、ちょっと曇ってもいいけど・・
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