「チャイルド」と「負けないで」 12→16km
12→13km
松浦雅也の「チャイルド」が聞こえてきた。
はるか昔にみた伊丹十三映画「スウィートホーム」の主題歌。1989年作品。
歌うのはPSY・Sのチャカ。
発売当初はCDシングルが出て、「スウィートホーム」のサウンドトラックに収録された。
サウンドトラック「スウィートホーム」
松浦雅也 商品コード 32DH5188 1989年1月21日発売。3,200円。
2002年秋、楽天に出店しているショップで1,500円で売られていた。
このCDに収録されている「チャイルド」は音量レベルが低い。
他のCDの楽曲に続けて聴くと、この曲だけ音量を上げなければならない(ノーマライズ処理をしても、やはり音が小さい)
レース中、ウォークマンのボリュームは「18」で固定している。
これ以上大きくすると、自分の足音や周囲の音が聞き取りづらくなるし、これ以上小さいと、曲が聞こえない。
レース後に、コミュニティで「音楽を聴いていて、視覚障がい者が近づいているのに気づかない人がいた」という指摘を読んだ。
思わず、自分は大丈夫だったろうかとヒヤリとした。
2000年代に発売された音楽CDはどれも、音量レベルが上がっており、90年代、80年代のCD楽曲と続けて聞くと、後者は音が聞き取りづらい。
レース中、その曲だけ音が小さいと、心に響かない。
「チャイルド」は特にその中でも音が小さかったが、2004年発売のPSY・S「GOLDEN☆BEST」に収録されたものは少しましになった。レースではそちらの音源を使っている。
「どうして、楽しい時は 短いのだろう」とチャカが歌う。
1年間かけて、準備してきたマラソン。それもあと4時間ほどで終わってしまう。
「まだ、あと4時間」ではなく、「もう、あと4時間」
そういうふうに考えれば、少しはこの苦しさも紛れるかな。いや、そう考えていたい。
13→14km
右手からおばちゃんの「頑張れ」という大きな声がかかる。
ランナーは静寂の中を走っている。
こういう時声に出す応援、拍手、太鼓、音楽。とにかく「音」が嬉しい。
先頭から最後尾まで、すべてのランナーが通過し終えるまでには、少なくとも 30分はかかるだろう。
「がんばって」とずっと言い続けるのも大変なことだ。
「がんばって」と言った次には「がんばってください」と交互に声をかけてくれるおばちゃんがいた。
「ください」は大変だから、いいですよ。ランナーは丁寧な言い方より、ちょっと乱暴なくらいのほうが嬉しいですよと言ってあげたかった。
14kmの看板は見落としてしまい、ラップボタンを押せなかった。
かすみがうらコミュニティの書き込みで「看板が外れていた」と書かれていたが、この14kmがそうだったのかも知れない。
14→15km
ZARD「負けないで」が聞こえてきた。
この曲は、初マラソンから3回連続でセットリストに入れている。
荒川の強風の中「ゴールは近づいている」の歌詞に強烈に励まされた。
この曲だけは、マラソンに音楽を連れて行く限り、聴き続けるだろう。
そういう心の支えなので、今回は 17km手前、35kmあたりに2回入れた。
ただ、さすがに半分にも満たないこの位置で「ゴールは近づいてないぞ」とZARDにつっこんだ。
15kmエイド手前で2つめのパワージェル。
今度取り出したのは、トロピカルフルーツ味。
一度絞り出すように吸い、さらに二つ折りにして絞り出す。
1つ260円だったからもったいないというわけではなく、とにかくエネルギー切れが怖い。
「マラソンには35kmの壁がある」
と大抵のマラソン書籍に書いてある。ところが、まだその経験がない。
初マラソンは27kmからずっと歩いていたし、二度めは31kmでバスに収容された。
自分の足で走って迎える35kmに、いったいどんな壁があるというのか。
怖れていても始まらない。そんな壁が現れないよう、いろいろと準備をしてきたのだ。
再び、ペース表を取り出し、15kmのスプリットタイムを確認。
15kmのスプリット
目標 2時間00分
実測 1時間54分
10kmで 6分あった貯金は、この5km 一切使っていない。
「30kmまではジョギング、そこからが今日のマラソン」
そう念じる心に、少し余裕が生まれていた。
15→16km
15km過ぎまでは一旦下り。
そして、16kmからは1km近い上り。2km地点とこの上りがこのレースの難所。
あとはフラットで走りやすいと大会パンフレットに書いてあった。
主催者が言うように、全体的にはフラットととるか、それとも、二度も長い上りがあるととるか。
レースに臨んでいる以上、前向きにならなければ走れない。当然、前者の考え方をしている。
ただ、唯一の関門(17km地点)がその難所の先に設けてあるというのは、意地が悪い。ど素人ランナーにとっては辛い。
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