キムタクのCHANGEと、ロマンが来る
政治と行政については素人である。
だから、いつも勉強したことは、ど素人!政治経済講座としてまとめる。
ある時、国土交通省が主催するイベントの観客席に座っていた。
著名な来賓が次から次に壇上に立ち、持論を展開している。
そこで、あることに気づいた。
政治家の話は、佳境にさしかかったところで、ロマンが来るのである。
後に大学教授に転身したその政治家は、淡々とそのプロジェクトの意義を説いていた。
すると、持ち時間が終わりに近づいた頃、いきなり声が1オクターブ上がった。
居眠りしていた人が、数人飛び起きた。
「このプロジェクトを成功させて、パラダイム・チェンジを起こそうではありませんかっ」
「おおいに国民的議論を、やっていこうではありませんかっ」
当時は、まだなかった言葉だが、まさに どん引き。
声は大きくなったのだが、新たな論点を提示したわけではない。
まさに、彼の理想、つまりロマンを語ったのだ。
ロマンは小さい声では語れないらしい。
その時、政治家というものは、起承転結の結びには、大きな声でロマンを語る人種なのだと理解した。
それ以来、政治家が大きく息を吸い込むと
「あ、やばい。ロマンが来る」
と身構えるようになった。
5月12日から始まったフジテレビ系列のドラマ「CHANGE」では、
キムタクが放送開始からわずか、2週間で総理大臣になった。
加治隆介でさえ、コミックを10巻以上費やしたというのに、異例の出世だ。さすがキムタク。
キムタクは聴衆を前にして、毎週、決め言葉を言う。
「世の中に必要な悪があるなんて、子供たちに教えたくありません!」
「僕のすべては、皆さんと同じです」
この決め言葉が、視聴者をキムタク支持に引き込んでいく。
この決め言葉も、ロマンだ。
声は1オクターブ上がっている。
だが、キムタクのロマンが来ても、どん引きにはならない。
どこが違うのか?
キムタクのロマンは、素人が聞いていて、一般人の見識で理解できる。それは、中身が正論だからだ。
政治家のロマンは、素人には言葉の意味がわからない。
一般人の見識で、それが役に立つものだとは理解しがたい。
一見正論でも、論理が破たんしているものが多い。
「小泉政権の悪政で、格差が広がりました」
と言うが、失業率が下がり、年収1,000万円の人と年収 0円だった差が、年収1,000万円と200万円になったことを「格差が広がった」というのは、おかしい。
「医療負担を上げて、お年寄りに死ねと言うのですか?ちょっと軍事費を下げればいいのです」
と言うが、医療負担を上げなければならないのは、過去に借金を先送りしてきたことに原因があり、軍事費とはなんの関係もない。
マイクでがなり立て、住宅街の静寂を打ち破るならば、せめて、八方に筋の通った正論にしてもらいたい。
だから、いつも勉強したことは、ど素人!政治経済講座としてまとめる。
ある時、国土交通省が主催するイベントの観客席に座っていた。
著名な来賓が次から次に壇上に立ち、持論を展開している。
そこで、あることに気づいた。
政治家の話は、佳境にさしかかったところで、ロマンが来るのである。
後に大学教授に転身したその政治家は、淡々とそのプロジェクトの意義を説いていた。
すると、持ち時間が終わりに近づいた頃、いきなり声が1オクターブ上がった。
居眠りしていた人が、数人飛び起きた。
「このプロジェクトを成功させて、パラダイム・チェンジを起こそうではありませんかっ」
「おおいに国民的議論を、やっていこうではありませんかっ」
当時は、まだなかった言葉だが、まさに どん引き。
声は大きくなったのだが、新たな論点を提示したわけではない。
まさに、彼の理想、つまりロマンを語ったのだ。
ロマンは小さい声では語れないらしい。
その時、政治家というものは、起承転結の結びには、大きな声でロマンを語る人種なのだと理解した。
それ以来、政治家が大きく息を吸い込むと
「あ、やばい。ロマンが来る」
と身構えるようになった。
5月12日から始まったフジテレビ系列のドラマ「CHANGE」では、
キムタクが放送開始からわずか、2週間で総理大臣になった。
加治隆介でさえ、コミックを10巻以上費やしたというのに、異例の出世だ。さすがキムタク。
キムタクは聴衆を前にして、毎週、決め言葉を言う。
「世の中に必要な悪があるなんて、子供たちに教えたくありません!」
「僕のすべては、皆さんと同じです」
この決め言葉が、視聴者をキムタク支持に引き込んでいく。
この決め言葉も、ロマンだ。
声は1オクターブ上がっている。
だが、キムタクのロマンが来ても、どん引きにはならない。
どこが違うのか?
キムタクのロマンは、素人が聞いていて、一般人の見識で理解できる。それは、中身が正論だからだ。
政治家のロマンは、素人には言葉の意味がわからない。
一般人の見識で、それが役に立つものだとは理解しがたい。
一見正論でも、論理が破たんしているものが多い。
「小泉政権の悪政で、格差が広がりました」
と言うが、失業率が下がり、年収1,000万円の人と年収 0円だった差が、年収1,000万円と200万円になったことを「格差が広がった」というのは、おかしい。
「医療負担を上げて、お年寄りに死ねと言うのですか?ちょっと軍事費を下げればいいのです」
と言うが、医療負担を上げなければならないのは、過去に借金を先送りしてきたことに原因があり、軍事費とはなんの関係もない。
マイクでがなり立て、住宅街の静寂を打ち破るならば、せめて、八方に筋の通った正論にしてもらいたい。
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