これがコーヒーカップヌードル(写真付)だ!
コーヒーカップヌードル挑戦の日
カップヌードルはノーマルな醤油味に決めた。
いやそういう常識にとらわれるのはよくないと思い、いったんはカレーにしようかと思ったが、今回は自嘲した。
もう売っていないプラ容器カップヌードルを使うのはもったいないので、紙容器のカップヌードルを買ってきた。
この挑戦は何度もやるようなことではない。
作業は慎重を要する。
そこで、前もってつくる手順を書き出すことにする。
コーヒーはモカ・ブレンド。理由はない。
ドリップ・パック1つでは充分な湯量と味が確保できないとみて、2パックを使う。
料理は水に始まり、水に終わる
そんな話は聞いたことないが、水はアルカリイオン水
水は沸騰すると空気が抜けてしまう。おいしいコーヒーを淹れる時と同様、沸騰する手前で火を止める。
本日の行程で懸念されるのは、沸騰直後のお湯ではないコーヒーで、果たして麺がほぐれるのか?ということ。
ただ、いつもカップヌードルは 2分半の固麺で食べ始めるくらいなので、少々の固さはご愛敬だ。
コーヒーを作る過程で極力、熱を下げないため、カップには別に沸騰させたお湯を張り、温めておく。そして、2パック分のコーヒーを淹れるため、このセットを2つ用意。
手際よく、コーヒーを淹れる。
豆を蒸らすための20秒を今日は15秒に短縮する。
ここでこの手順の破たんに気付いた。
そうだ、コーヒーをカップヌードルに直接淹れればよいのだ。
一刻を争うため、ドリップパックは1つでカップにお湯、じゃなくてコーヒーを満たす。
入れてみると、案外、黒くない。
見た目は一見、ふつうのカップヌードルだ。
そして、待つこと3分
これが、世界初(ただし写真付)
コーヒーカップヌードルだ!
カップから妙な香りが漂う。なんだ、これは?
まず、箸で麺をすくい、音を立てて、ひと息にすする。
ふぅ~ ず ず ず
ラーメンを食べる幸せは、この瞬間に凝縮されている。
印象はカップヌードルとさほど変わらない。
イカスミスパゲッティを初めて食べた時の感覚に似ている。
見た目で、これは絶対無理と思うのだが、食べてみると、ふつうに食べられる。ただし、特段、イカスミだから美味いとも思えない。どうして、スパゲッティにイカスミなの?と不思議に思う。
コーヒーラーメンをメニューに入れているお店があるが、お客はまさにイカスミ感覚になるのだろう。
カップヌードルは中間保持により、できあがりの見た目がよい。
えびの赤、玉子の黄、肉の茶色
さて、我がコーヒーカップヌードルはどうか?
ふんわり黄色い玉子にコーヒーの茶が、うっすらと浸みている。
寒い冬、味が浸みて、コーヒー色がついた玉子のおでんを思い出す。
えびは染まりやすい性格のようで、珍しく黒みがかっている。
肉は単独で噛みしめると肉の味がする。
えびは、魚貝類特有の後味があり、染まりやすい外見とは違い、えびらしさを保っている。
玉子は元々玉子の印象が薄い具材のため、コーヒーに染まったのかどうかが、わかりづらい。
麺を食べ終えた。
ふと我に帰ると、コーヒーで作ったことを忘れていた。
そもそも、初めからコーヒーの味はしていなかった。
期せずして、ここで、この企画のクライマックスがやってきた。
いつもはカロリーと塩分を気にして、汁を飲むのは一口だけと決めている。
残りの汁は流し台に捨てる。
底に沈んだ肉やえびの欠片、胡椒粒が惜しい。あまりに惜しいので、箸で肉片の転落をせき止めて、食べたりもする。
ところが、今日は最後の一滴まで飲みたいと思っている。
なぜならば、食後のコーヒーは、人類が始まって以来、長く愛されてきた習慣だからだ。
いつもならば、食事を終えた後、コーヒーを別に注文するか、喫茶店へハシゴしなければならない。
コーヒーカップヌードルには、その煩わしさがない。
食べ終えた時、そこには「はい、お待ちどう」とコーヒーが待っている。
自宅であれば、カップを洗う必要もない。
ということは環境にも優しい。
まいった。
コーヒーカップヌードルは意外と普及するかも知れない。
論文として、日本ラーメン学会に発表しておいた方がいいのではないか?
今、コーヒーカップヌードルを商標登録するか、真剣に考えている。
と頭の中で、速くも原稿ができあがる。
食後のコーヒータイム。
だが、汁は汁だった。コーヒーではない。
最後の一滴まで飲んだ。
塩がきつい。
しばらく飲んでいないうちに、カップヌードルは塩が増えたのか。それとも紙容器変更時に塩を増やしたか。いや、自身が減塩に気をつけているため、塩辛いと感じたのかも知れない。
最後までつきまとったのは、香りへの違和感。
経験のない香りだ。
想像で言うならば、賞味期限を数年過ぎて、変質したカップ麺はこうかも知れないというような香り。
薬膳にありそうな香りでもあり、どこかの銘柄のスナック菓子にこんな香りがあった気もする。
かつての世界初の試み、さしみカレーは他人に勧められるような発見がなかった。
そして今回もまた、読者の皆さんに新たな価値観を提案することはできそうにない。
食べ終えて、20分が過ぎたのに、まだあの違和感のある香りがそこらに漂っている。カップに残った香りを嗅いで、過去の記憶を照会したが、脳は答えを返してこなかった。
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