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2008年5月 3日 (土)

火を吹く すずめ男

【 すずめ おとこ 】
 仕事のメールを読んでいる時、5分に1回以上のペースで舌打ちしている男。

 メールの中でも特に、メーリングリストや [CC:] [BCC:]で届いているメールに対して不満を持ち、すずめ男に変身する。


 同僚にすずめ男がいると、1日じゅう
 ちっ ちっ ちっ
 というさえずりが聞こえてくる。
 すずめが職場に迷い込んできたのかと思う。
 重度のすずめ男は「あ゛~っ」「なんでだよ」と独り言も多い。

 仮面ライダーの20話、21話ではドクガンダー幼虫、成虫が登場して旧2号と戦った。  舌打ちだけの「すずめ男」を幼虫とすれば、独り言を伴う男は「すずめ男成虫」である。

 すずめ男の前、左右に座っている人は、さえずりが聞こえてくる度に憂鬱になる。
 すずめ男が部下の場合は「なに怒ってるの?」と穏やかに対応できるが、
 すずめ男が上司の場合、誰も「舌打ちはやめてください」と言えない。

 すずめ男の舌打ちは伝染する。
 燃えさかる怒り、苛立ちの火は、延焼するのだ。
 いつのまにか隣の人も、すずめ男に変身している。
 すずめ男2号の誕生だ。
 すずめ男ウィルスは男にしか効かないようで、すずめ女というのは見かけない。

 すずめ男の舌打ちをやめさせる方法はない。
 人事部に訴えるのは、大人げない。
 メンタルヘルス窓口に相談しても、結局、相手にその声は届かない(届いたら怖い)
 すずめ男が舌打ちで示す怒りは、周囲の人のストレスに転化される。
 企業がすずめ男を飼っていると、周囲の生産性が落ちて、被害を被る。
 人事部は管理職研修で、舌打ちや苛立った奇声を発することを慎むよう指導するとよい。

 やめさせる方法がないからと言って、報復に舌打ちを返したら、その日から自分もすずめ男だ。
 すずめ男対策は「怒りに対して、怒りの報復をしない」と決めることしかない。
 報復しないと決めたら、聞き流せるようになる。
 それでも、5分に一度のさえずりは、否が応でも聞こえてくる。
 時には「この人、死ぬまで怒り続けるのか?」と呆れてしまう。
 呆れるようになったら、ひとまず、すずめ男変身の危機は脱している。


 作家 西村ヤスロウは「彼女はなぜフグになるのか」ソフトバンクパブリッシング 2003年12月 で次のように書いている。

 「チッ」と音に出すことで、怒りの気持ちが緩和される。これを思考停止または、ストップ法という。
 舌打ちの多い人を見ると「人間ができていないやつ」と思うものだが、そうではない。彼は、沸き上がる怒りを必死に抑えようとしている平和主義者なのだ。

 そう言われてみると、確かにすずめ男は根っからの悪党というよりは、小心者が多い。そう考えれば、ますますさえずりは聞き流せるようになる。

 世の中の人は今、とても怒っている。
 他人の怒りを鎮めることはできない。
 新たに自分が、怒りのすずめ男に変身しないことで、世の中の怒りが薄まっていく。



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