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2008年6月15日 (日)

ポルトガル A組1位通過

ポルトガルが好調なスタートを切っている。プレーはいつもながらの機転と技術が組み合わされたもの。だが、今回特筆に値するのは、他国と比べて格段にフェアなプレーぶり。結果如何を問わず、後にこれは高く評価されるだろう。

ユーロ2008が開幕して1週間。

わずか1週間なのだが、開幕戦のことはもう遠い昔のことのように感じる。

人は歳を取ると、時間の流れが速く感じるようになる。
これは、日常に起こる出来事が、経験済みのものごとばかりで、難なくかたづけられるからだ。

デコファンになったのは 2005年2月、FIFAオールスタースマトラ沖地震慈善マッチの日に、デコと出会って以来なので、ユーロは初体験。
このためにWOWOWに入ったので、連日深夜から明け方にサッカーを見るという暮らしも初めて。
新鮮な日々が続くと、人は時間の流れが遅くなるということを実感している。

さて、我らがデコのいるポルトガル。
グループリーグ3試合のうち、1試合を残したところで、グループリーグ1位通過を決めてしまった。
2006年のW杯ドイツ大会も、1試合を残して勝ち抜けを決めたが、今回がその時と違うのは、1位通過を決めたということだ。

2006年のW杯、グループリーグ第3戦メキシコ戦、スコラーリ監督は、故障上がりのデコを休ませたが、さほどメンバーを落とさなかった。
これは、まだグループ2位の可能性があり、2位になった場合、ベスト16の対戦相手がアルゼンチンになる可能性が高かったからだ。

その点、今回は1位通過を決めている。
A組1位は 6月19日20:45(日本時間20日 3:45)マッチ25 に進み、B組2位と対戦する。
ちなみに、TBSはこの試合を放送しない。
マッチ25の勝者が進む、準決勝も放送しない。
TBSだけでユーロを見ていたら、ポルトガル戦を見られるのは決勝だけだった。
WOWOWに入ってよかった。

今大会からルールが変わり、グループリーグから準々決勝に進んだチームのイエローカードは清算されない。
第3戦で1枚もらった場合、準々決勝に持ち越されて、そこで1枚もらうと、準決勝が出場停止になる。
ただし、新ルールにより、準々決勝までに1枚もらっていたイエローカードはそこで清算されて、準決勝には持ち越さない。

前回までのルールでは、準決勝までにイエローカードを1枚もらっていて、準決勝で2枚めを受けると決勝が出場停止となる。
万が一、デコロナウドが決勝に出られないということになれば、サッカー界全体にとって大きな損失だ。
というのは、デコファンの立場だが、決勝をベストメンバーで戦えるようにするという、このルール変更を考えた人は素晴らしい。

「ちょっと考えれば、誰でもわかるよ」
ということを、誰も考えないから、長い年月、不都合が営々と続く。
こうした、ちょっとした工夫で、誰もが幸せになれるルール変更、仕事の進め方は、身の回りにたくさん眠っている。それを掘り起こして、実現できるかは組織のリーダー次第なのだ。

前回までは、イエローカードはグループリーグに置いていけた。
だが、このユーロでは準々決勝まで、イエローカード貯金が続く。
ゆえに、グループリーグ第3戦を調整モードで戦えることは、より大きな意味を持つ。

今晩(日本時間16日 3:45)のスイス戦
スコラーリ監督がどの程度、メンバーを落として戦うかが興味深い。

さて、そのルイス・フェリペ・スコラーリ監督が7月1日より、チェルシーFC監督に就任すると発表された。
チェルシーとしては、チーム作りで遅れをとらないために、少しでも早く発表したかったのだろう。
それが、ポルトガルのグループリーグ1位通過決定と同時というタイミングになった。

元々、スコラーリ監督とポルトガルの契約は、2008年のユーロ終了まで。
2006年のW杯終了後に2年延長した。退任は既定路線と言えば、その通りだ。
ただ、ポルトガルファンとしては、あと2年続けて、2010年W杯の優勝を花道にしてほしかった。

ブラジル人デコにポルトガル国籍取得を勧めたのは、ポルトガル人のホセ・モウリーニョだが、デコを代表で起用しつづけたのは、ブラジル人のスコラーリ。

デコがポルトガル代表入りした時は、外国人の代表入りに反対する人たちがいた。
デコの後には、同じくブラジル人のぺぺも代表入りして活躍している。
ポルトガル・サポーターには、今更、外国人不要論を持ち出す人はいないだろうが、スコラーリが代表を去ることで、何が起こるかわからない。

ただ、どんな思惑も、スポーツ選手はそのプレーですべてを払拭することができる。
力を示すことができる。
そこが、サラリーマンとは違うところだ。

ユーロ2008が始まって2試合で、デコを見る目は大きく変わっただろう。
いや、変わったというよりは、戻ったという表現が近い。
現所属クラブ。次の所属クラブ。それぞれが、裏返しの感想を持ったはずだ。

現所属クラブは「これで、高く売れる」「でも、ちょっと惜しかったな」

次の所属クラブは「これで、値段上がっちゃうなぁ」「でも、何としてでも欲しくなった」

デコの次なる戦いは、 6/25 準決勝(ポルトガル-B組2位)
当初、予想の相手はポーランドだったが、クロアチアの好調により、準決勝の相手と予想していたドイツが順当なところとなっている。ただし、ポーランド、オーストリアにも可能性はある。オーストリアがB組2位となり、開催国の面目を保つならば、ポルトガルはスイス、オーストリアと共催国2連戦となる。


第一主催国のA組に入ったため、決勝トーナメントの3試合はいずれも HOME 扱い。
1stの赤いユニフォームを着る。

その前に、グループリーグ第3戦スイス戦では、これまで通りの正々堂々、クリーンな戦いで、スイス人とメディアのサポートも手に入れたい。

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