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2008年6月 8日 (日)

ユーロ2008ポルトガル優勝と詰める男

今日、デコ2度目のユーロが始まる。

ユーロとはフットボールの欧州選手権。
ユーロは4年に1度、W杯と2年ずらして開催される。

1960年にフランスサッカー協会会長アンリ・ドロネーが発案。
第1回「ヨーロッパ・ネイションズカップ」という名前で開催された。
1968年に今の「ユーロ」に名称が変わった。

この数週間、民法を見ていると、しきりにWOWOWのCMが入るので、ユーロという単語は相当に浸透したはずだ。
CMやメディアの報道では「ユーロは世界最高クラスの戦術」と表現されている。
これは、アジアやアフリカも出場するW杯に比べて、欧州の戦術は洗練されているということを意味している。

スポーツ大会では、準決勝や準々決勝で優勝候補同士が対戦すると「事実上の決勝」と表現するメディアがある。
それと同じだ。
ブロガーは「ユーロはW杯よりレベルが高い」と言い切ることができるが、メディアの場合は件の表現になる。

いずれにせよ、欧州のメディアが言うのならばわかるが、日本のメディアが自らそれを言うのは自虐的だ。

2003年当時、デコはポルトガルのフットボールリーグ「スーペルリーガ」のFCポルトに在籍していた。
1997-98シーズンより、ブラジルからポルトガルに渡り、居住5年が経過していたデコは、ジョゼ・モウリーニョ監督(当時FCポルトの監督、2008-09シーズンからはセリエAインテルの監督)のすすめでポルトガル国籍を取得。

2003年3月には、ブラジル人フェリペ・スコラーリが監督をつとめるポルトガル代表に招集された。
他国籍選手に国籍取得させて、ポルトガル代表に迎えるのは、デコが4人め。
この手を使うのが初めてというわけではなかったが、地元メディア、フィーゴをはじめとするベテラン選手は反対の意思表示をした。
ただ決して、批判はデコに対してのものではなく、ポルトガルサッカー協会の手法に対してだった。

そして、代表初出場の親善試合、ホームでのブラジル戦。
デコが決勝ゴールをあげて、ポルトガルは37年ぶりにブラジルを破った。
ブラジル人監督と、ブラジル人デコによる、ポルトガルの進撃がここから始まった。

2008年5月現在、FIFA国別ランキング9位。
今でこそ、ポルトガルは強豪国の一つと思われているが、2002年にアジアで行われたワールドカップまでは、長い低迷が続いていた。

W杯出場は以外と少なく過去4回。1966,1986,2002,2006
2006は初めての2大会連続出場だった。
ブラジルコンビが代表入りしてからは、ユーロ2004で準優勝、W杯2006でベスト4 とまずまずの結果を残している。

今回のユーロ2008では、キャプテンはヌノ・ゴメス、副キャプテンはクリスチアーノ・ロナウド。
「外国人」のデコはキャプテンには選ばれない。

前回のユーロ2004で代表デビューしたロナウド。
W杯2006ドイツ大会で、一躍人気者になった。
この間終わった2007-08シーズンでは、所属クラブのマンチェスター・ユナイテッドでCL優勝。12月には初めて、巡業ではなく公式戦(CWC2008)で来日する。
今大会は「ロナウドの大会」になると、メディアは期待を寄せている。
だが、2006年W杯、リーガとCLの2冠を制して望んだロナウジーニョが不調だったように、疲れているロナウドに多くは望めない。ただ、ロナウドには疲れていても蹴ることができるフリーキックがある。

ユーロ2004では、ゴール前のフリーキックは、フィーゴとデコが蹴っていた。しかし、どれも上に吹かしてしまい、得点の期待は持てなかった。
2006W杯より、その場面はロナウドの独壇場となっている。

デコは「1年間たっぷりと休養が取れたお陰で、コンディションがいい」とメディアに語っている。ニュースで伝えられていたのは「故障による欠場」だったが、実際には、出たくても出してもらえなかったようだ。

カラダの切れがいい時のデコは、相手から徹底的にマークされる。派手さはないが、球を隠すようなドリブルは、相手のファウルを誘う。ミドルシュートも多用するので、相手は後ろからのファウルで止めざるを得ない。ゆえに、デコは圧倒的に被ファウル数が多い。

被ファウル王のデコがもらったFKを、ロナウドが蹴る。揺れて落ちる球をキャッチできるGKは希で、弾いた球にシマンが詰める。このパターンがポルトガルならではの得点源。
しかし、2006W杯準決勝フランス戦、先日の親善試合グルジア戦。いずれも詰め損なっていた。
ポルトガル勝利のポイントは、この「詰める男」である。

ポルトガルが入ったA組は、共催国のひとつスイスの組。
B組にはもうひとつの共催国、オーストリアが入った。
A組は決して楽ではないが、グループリーグを勝ち抜けた場合、準々決勝、準決勝で当たる可能性がある難敵はドイツ、ポーランド。
特に分が悪いイタリア、フランス、そして天敵ギリシアとは決勝まで当たらない。

準決勝までにポーランド、ドイツを破り、決勝の相手がオランダだった時、ポルトガルとブラジルコンビのユーロ初優勝が見えてくる。

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