« 僕が独裁者になったら | トップページ | ユーロ2008ポルトガル優勝と詰める男 »

2008年6月 7日 (土)

江ノ島に戻れなかった湘南国際マラソン

 第3回湘南国際マラソンのエントリー受付が 2008年5月22日に始まった。

 湘南国際マラソンは2007年3月に第1回が行われた。
 神奈川県で開催されるマラソンは、以前から多摩川フルマラソンがあり、2つめのマラソンとしてスタート。
 スタート/ゴール地点は江ノ島。
 西湘バイパスで折り返す1ウェイコース。
 コースの一部は箱根駅伝のコースとも重なっている。

  ----------------

 湘南と言えば、サザンオールスターズ(2008年8月で活動休止)
 湘南とは、鎌倉から南の海辺の地域を言う。
 稲村ヶ崎から江ノ島、片瀬海岸あたりの一帯。
 湘南という地名はない。江ノ島にある港には、湘南港という名がついている。
 湘南の最寄り駅は、小田急線「片瀬江ノ島」、江ノ島電鉄「江ノ島」、湘南モノレール「湘南江の島」

1664年
大磯の「鴫立庵」に湘南発祥の石碑が建立された。

1994年
自動車の湘南ナンバーができた。海岸沿いでは藤沢市、茅ヶ崎市、平塚市、大磯町、二宮町、小田原市。全部で7市4町が対象。

2003年
平成の大合併で「湘南市」構想があったが、実現しなかった。

  ----------------

 湘南海岸の国道はいつも渋滞している。
 その国道を独占して走り、湘南のシンボル江ノ島でゴールする。
 地元の人に限らず、魅力的なコースだ。

 ところが、2008年3月に開催された第2回大会では 3つの変更があった。

1.距離を30kmに短縮。
 台風による 西湘バイパスの道路陥没が理由とされた。

2.スタート/ゴールは江ノ島ではなく、大磯プリンスホテルに変更。
 「より大規模な大会にするため」という理由が公表された。

3.ナンバーカードが郵送に変わり、前日受付がなくなった。

 3はとてもよいことだが、1,2はとても残念な変更だった。

 さて、5月に発表された 第3回大会の要項では、3つの変更があった。

1.距離を 42.195kmに変更。
 西湘バイパスが復旧したため。

2.3月開催を 11月開催に変更。(2008年11月16日開催)

3.ナンバーカード郵送を廃止。前日受付が復活。

 スタート/ゴール地点については変更がなく、大磯での開催。
 江ノ島に戻ることはなかった。

 江ノ島には救急車が入れない。というのが表向きの理由。
 ゴール直後にランナーが倒れた場合、救急病院への搬送が難しく、リスクが大きいと言うことだ。

 江ノ島につながる江ノ島大橋は、対面通行だが2車線ある。それとは別に舗道がある。
 救急車を入れる必要が生じた時、コースを 1車線規制して、救急車を通せないことはない。
 「救急車が通ります。左側に寄ってください」
 そう言われて、道を空けないようなランナーはいない。
 また、江ノ島にはヘリポートもある。

 第2回の開催地が大磯に変更された本当の理由と、今回も江ノ島に戻らなかった理由は同じだろう。
 もちろん、より大きな大会にするためというものではない。

 開催月を3月から11月に変更した理由は、5月26日の記者会見で河野太郎実行委員長が、次のように述べた。
 「3月開催だと、近隣の大会と日付が近くなる。ランナーからの要望もあった」

 近隣の大会とは、東京マラソンと荒川市民マラソンのことである。
 東京マラソンは2008年までは2月開催だったが、2009年からは3月開催となる。
 荒川市民マラソンと、湘南国際マラソンは、この2年つづけて同日開催だった。

 2009年 3月15日 荒川市民 湘南国際
 2009年 3月22日 東京

 こうしてみれば、確かに日程が密集しているように見える。
 だが、東京マラソンは出たくても、滅多なことでは当たらないレースだ。
 東京マラソンは抽選で落選するものと想定すれば、関東で春に走れるマラソンの選択肢は、3月の荒川と4月のかすみがうらの2つだけということになった。

 ナンバーカードの郵送廃止は、時代の流れに逆行している。
 前日受付にする理由は、地元に金を落とすため。
 ランナーに対して、レース当日だけでなく、前日にも現地入りを義務づければ、それだけお金がおちる。
 遠方からの参加者は宿泊せざるを得ない。

 関東の市民マラソンでは、東京、荒川も受付を要する。
 かすみがうらだけが、郵送方式を採用しており、現地入りは当日の1度で済む。

 事前にナンバーカードが届くと、自宅でゆっくりと準備することができる。
 荒川市民マラソンには、当日受付があるため、現地入りは1度で済むが、当日その場で受け取るのは慌ただしい。

 参加者の希望ではなく、主催者の都合で決める大会には賛同できない。
 それでも、東京マラソン効果で生まれたマラソンブームの折、9,000人というエントリー枠は、いっぱいになるのだろう。

 江ノ島にゴールできたのは、第1回だけになった。
 第1回の完走者だけが、その誇り高き思い出を語り継ぐことになりそうだ。



ど素人!マラソン講座
素人が制限時間5時間以上のレースを完走するための情報集です。

| |

« 僕が独裁者になったら | トップページ | ユーロ2008ポルトガル優勝と詰める男 »

しらべるが走る!」カテゴリの記事