プレイングフォー
「7番アイアンっていつ使うの?」【 15 】
「いやぁ、いつも谷にボール落とすんですよねぇ」
と口に出して言うと嫌われる。
山岳コース(山にあるゴルフ場)には谷、小川、池、崖、林があり、海辺のコースには、海そのものがある。それらはハザード、あるいは(OB区域を省略して)OBと呼ばれる。
「ゴルフは自然との戦い」と言う。
僕は言ったことがないが。
ヘビとマングースのように、誰も実際に戦ってはいないのだが、自然のせいでスコアが悪くなるので、戦いと言うことにするようだ。
そこに谷があり、ボールが落ちるかも知れないことは、見れば誰だってわかる。
ただ、左脳でそう考えれば、そのイメージが右脳に入力されて、ボールは谷底へ転がっていく。
だから、誰もが谷のことを忘れようとしているのだ。
それを「谷!谷!谷!」
と連呼されると 「ママでも金か?」とつっこみたくなる。
ラウンドでは「不安」と「反省」を他人と共有しようとしてはいけない。
不安を声高に叫び、失敗をうじうじと嘆く人は、ただ単に迷惑なだけだ。
理想的なのは、不安を持たず、一切反省をしないこと。
不安はそのまま結果となって現れる。
反省は次の悪い結果を誘発する。反省は家に帰ってスコアカードを眺めながら、ゴルフ日記に書くとよい。
コースの途中に深い谷があると、素人は永遠にその谷を越えられない。
そこで、ゴルフ場が編み出した秘策が「プレイング4」
ゴルフを始めた頃、この言葉が大好きだった。
この言葉に、ゴルフ愛を感じる人が他にもいるようで、何度かこの名前を冠した喫茶店や、スナックを見かけたことがある。
プレイングフォーとは、ティーグラウンドから打ち出した第1打がOBとなった時、あらかじめ決められた前進位置から第4打として競技を継続すること。
ゴルフ本来のルールはあるがまま。すなわちOBになれば、その場所から打ち直さなければならない。
元の位置からの打ち直しが、ナイスショットになる保証があればよいが、素人にはムリ。いつまでも前に進むことができず、後続のゴルフ客がプレーできなくなる。
そこでどのゴルフ場も、独自のルール「ローカルルール」を作る。
その一つがこの、進行を早めるための「プレイングフォー」
ティーグラウンドの目の前が谷になっているホールでは、みすみすボールを谷底に捨てるのがもったいない。
こういう時のために、ゴルフショップで中古の安ものボールを用意しておく。
ゴルフショップに行けば、いろいろな銘柄の中古ボールが10個パック1,000円くらいで売っている。どうやって、これらの中古ボールを集めるのかは、公表されていない。
これらのボールを買ってきて、マジックで 「谷用」とでも書いておけば、仲間が笑ってくれるかも知れない。
だが、得てして、谷のホールにやってきた時には、1個400円くらいする高いボールしかなかったりする。
谷の向こうには、前進4打の打ち出し場所が見えている。
「ぼく、プレイングフォー」
と、幾度か打つ前に申告したが、一度も許してもらえなかった。きっとゴルフ場が中古ボール業者と、裏で組んでいるのだろう。
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