« 痰を吐いたらマイナス1000ポイント | トップページ | 東大と九大の差 »

2008年6月25日 (水)

プレイングフォー

「7番アイアンっていつ使うの?」【 15 】

「いやぁ、いつも谷にボール落とすんですよねぇ」
と口に出して言うと嫌われる。

 山岳コース(山にあるゴルフ場)には谷、小川、池、崖、林があり、海辺のコースには、海そのものがある。それらはハザード、あるいは(OB区域を省略して)OBと呼ばれる。

 「ゴルフは自然との戦い」と言う。
 僕は言ったことがないが。
 ヘビとマングースのように、誰も実際に戦ってはいないのだが、自然のせいでスコアが悪くなるので、戦いと言うことにするようだ。

 そこに谷があり、ボールが落ちるかも知れないことは、見れば誰だってわかる。
 ただ、左脳でそう考えれば、そのイメージが右脳に入力されて、ボールは谷底へ転がっていく。
 だから、誰もが谷のことを忘れようとしているのだ。

 それを「谷!谷!谷!」
 と連呼されると 「ママでも金か?」とつっこみたくなる。

 ラウンドでは「不安」と「反省」を他人と共有しようとしてはいけない。
 不安を声高に叫び、失敗をうじうじと嘆く人は、ただ単に迷惑なだけだ。

 理想的なのは、不安を持たず、一切反省をしないこと。
 不安はそのまま結果となって現れる。
 反省は次の悪い結果を誘発する。反省は家に帰ってスコアカードを眺めながら、ゴルフ日記に書くとよい。

 コースの途中に深い谷があると、素人は永遠にその谷を越えられない。
 そこで、ゴルフ場が編み出した秘策が「プレイング4」
 ゴルフを始めた頃、この言葉が大好きだった。
 この言葉に、ゴルフ愛を感じる人が他にもいるようで、何度かこの名前を冠した喫茶店や、スナックを見かけたことがある。

 プレイングフォーとは、ティーグラウンドから打ち出した第1打がOBとなった時、あらかじめ決められた前進位置から第4打として競技を継続すること。

 ゴルフ本来のルールはあるがまま。すなわちOBになれば、その場所から打ち直さなければならない。
 元の位置からの打ち直しが、ナイスショットになる保証があればよいが、素人にはムリ。いつまでも前に進むことができず、後続のゴルフ客がプレーできなくなる。
 そこでどのゴルフ場も、独自のルール「ローカルルール」を作る。
 その一つがこの、進行を早めるための「プレイングフォー」

 ティーグラウンドの目の前が谷になっているホールでは、みすみすボールを谷底に捨てるのがもったいない。
 こういう時のために、ゴルフショップで中古の安ものボールを用意しておく。
 ゴルフショップに行けば、いろいろな銘柄の中古ボールが10個パック1,000円くらいで売っている。どうやって、これらの中古ボールを集めるのかは、公表されていない。
 これらのボールを買ってきて、マジックで 「谷用」とでも書いておけば、仲間が笑ってくれるかも知れない。

 だが、得てして、谷のホールにやってきた時には、1個400円くらいする高いボールしかなかったりする。
 谷の向こうには、前進4打の打ち出し場所が見えている。
 「ぼく、プレイングフォー」
と、幾度か打つ前に申告したが、一度も許してもらえなかった。きっとゴルフ場が中古ボール業者と、裏で組んでいるのだろう。

7番アイアンっていつ使うの?もくじ

| |

« 痰を吐いたらマイナス1000ポイント | トップページ | 東大と九大の差 »

スポーツ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 痰を吐いたらマイナス1000ポイント | トップページ | 東大と九大の差 »