派遣の貞子さん 2
派遣の貞子さんがようやく辞めたそうだ。
派遣の貞子さん(前回のお話)
辞めたといっても、貞子さんが「これ以上、タダメシはいただけません」と自ら、身を引いたのではない。
鈴木さんが「貞子 寝てますけど・・」と言うと「へへっ」と笑っていた上司から、派遣の契約更新時期が来たが、予算削減のため更新できなかったとメールが来た。
予算削減がなければ、上司はさらに更新したのかも知れない。そう思うとぞっとしたと鈴木さんが言っている。
その後も貞子は、欠勤、遅刻を繰返し、インターネットに飽きたらしく、最近はもっぱらWindowsに付属しているゲームをやっていた。
日頃は寝ているのだが、3カ月に一度の更新が3期目に入った頃、突然張り切るようになった。
向かいの席に、別の会社から男性派遣社員がやってきたのだ。
いわゆるイケメン、推定年齢25歳の男性派遣社員がなにか「やっても~たぁ」などとネタを振ると、うきゃうきゃ言いながら、携帯を片手にぐるっとテーブルを回ってきて、写真を撮りまくる。
周囲はどん引きを通り越して、凍り付いていたという。
イケメン君が来て以来、貞子は起きていることが増えた。
ただ、困ったのは、頻繁にイケメン君に話しかけるのである。
電話が少ない商品を担当している貞子に比べて、売れ筋商品を担当しているイケメン君は忙しい。電話を切ったら、それをデータベースに記録して、手順書を書き換えて、提案してくれる。
身内の社員にも居ないような、活躍である。
だが、イケメン君に貞子は話しかける。
「総務部の田中さんってぇ、いつも話が長いのぉ~。一度イケメン君からびしっと言ってくださいよぉ」
「いや、自分はそういう立場ではありませんから。それは佐藤さんのほうへ言われた方が・・」
うぶな子ね、あなた。
という目をして、イケメン君に納豆のような視線を送る貞子。
だいたい、なぜお客様対応の係が、総務部と話しているのかが意味不明だ。
貞子が去って1週間、佐藤さんが同僚の花沢さんと呑んでいた。
花沢さんは定年退職間近の女性で、部署の庶務を担当している。
花沢「こないだまでいた派遣の娘、ひどかったねぇ」
鈴木「あぁ●●さん(貞子の名字)ですね」 花沢「だって、あの子、お水でしょ?だからお昼ずっと寝てるのよ。だいたい、派遣先に鎖じゃらじゃらつけて、5cmのヒール履いて来る?いつも、机の下でメール打ってたでしょ?確か■■社(有名な派遣会社)ってそういうの禁止だよね」
鈴木さんは、苦笑いして聞いている。
花沢「だいたい、なんであの娘 2回も更新したの?ふつうは更新しないでしょ。9カ月だよね。給料泥棒よね。▲▲さん(上司)の好みだったのかな~?だとしたら、ひどい趣味だよね」
この一件を仄聞して、学んだことは次のとおりだ。
誰もが不思議に思っていることは、皆、そう思っているということ。
だが、なぜかそれを不思議だと思わない人がいて、それは概ね「責任者」であるということ。
責任者は独特の間合いでものごとをみて、多少のことには目をつぶりスルーしている。
このスルーが好結果を生むこともある。
我慢し続けた部下が、大ヒット商品を開発して大化けするといった時だ。
このスルーが、大勢に影響ないこともある。
貞子の一件はまさにそれ。派遣期間中、お客様との致命的なトラブルには至らず、貞子はいなくなった。
このスルーが、致命的な悲劇を生むこともある。
法令非遵守、偽装、着服
最悪の場合は、組織が壊滅することもある。
どう転ぶかは、責任者の想像力にかかっている。
派遣の貞子さん(前回のお話)
辞めたといっても、貞子さんが「これ以上、タダメシはいただけません」と自ら、身を引いたのではない。
鈴木さんが「貞子 寝てますけど・・」と言うと「へへっ」と笑っていた上司から、派遣の契約更新時期が来たが、予算削減のため更新できなかったとメールが来た。
予算削減がなければ、上司はさらに更新したのかも知れない。そう思うとぞっとしたと鈴木さんが言っている。
その後も貞子は、欠勤、遅刻を繰返し、インターネットに飽きたらしく、最近はもっぱらWindowsに付属しているゲームをやっていた。
日頃は寝ているのだが、3カ月に一度の更新が3期目に入った頃、突然張り切るようになった。
向かいの席に、別の会社から男性派遣社員がやってきたのだ。
いわゆるイケメン、推定年齢25歳の男性派遣社員がなにか「やっても~たぁ」などとネタを振ると、うきゃうきゃ言いながら、携帯を片手にぐるっとテーブルを回ってきて、写真を撮りまくる。
周囲はどん引きを通り越して、凍り付いていたという。
イケメン君が来て以来、貞子は起きていることが増えた。
ただ、困ったのは、頻繁にイケメン君に話しかけるのである。
電話が少ない商品を担当している貞子に比べて、売れ筋商品を担当しているイケメン君は忙しい。電話を切ったら、それをデータベースに記録して、手順書を書き換えて、提案してくれる。
身内の社員にも居ないような、活躍である。
だが、イケメン君に貞子は話しかける。
「総務部の田中さんってぇ、いつも話が長いのぉ~。一度イケメン君からびしっと言ってくださいよぉ」
「いや、自分はそういう立場ではありませんから。それは佐藤さんのほうへ言われた方が・・」
うぶな子ね、あなた。
という目をして、イケメン君に納豆のような視線を送る貞子。
だいたい、なぜお客様対応の係が、総務部と話しているのかが意味不明だ。
貞子が去って1週間、佐藤さんが同僚の花沢さんと呑んでいた。
花沢さんは定年退職間近の女性で、部署の庶務を担当している。
花沢「こないだまでいた派遣の娘、ひどかったねぇ」
鈴木「あぁ●●さん(貞子の名字)ですね」 花沢「だって、あの子、お水でしょ?だからお昼ずっと寝てるのよ。だいたい、派遣先に鎖じゃらじゃらつけて、5cmのヒール履いて来る?いつも、机の下でメール打ってたでしょ?確か■■社(有名な派遣会社)ってそういうの禁止だよね」
鈴木さんは、苦笑いして聞いている。
花沢「だいたい、なんであの娘 2回も更新したの?ふつうは更新しないでしょ。9カ月だよね。給料泥棒よね。▲▲さん(上司)の好みだったのかな~?だとしたら、ひどい趣味だよね」
この一件を仄聞して、学んだことは次のとおりだ。
誰もが不思議に思っていることは、皆、そう思っているということ。
だが、なぜかそれを不思議だと思わない人がいて、それは概ね「責任者」であるということ。
責任者は独特の間合いでものごとをみて、多少のことには目をつぶりスルーしている。
このスルーが好結果を生むこともある。
我慢し続けた部下が、大ヒット商品を開発して大化けするといった時だ。
このスルーが、大勢に影響ないこともある。
貞子の一件はまさにそれ。派遣期間中、お客様との致命的なトラブルには至らず、貞子はいなくなった。
このスルーが、致命的な悲劇を生むこともある。
法令非遵守、偽装、着服
最悪の場合は、組織が壊滅することもある。
どう転ぶかは、責任者の想像力にかかっている。
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