心の幹が強い男
7月17日に背番号20が発表されたデコ。
やれやれひと安心、これで後は開幕を待つばかり。
とニュース・チェックの緊張を解いたところに、デコが喋り始めた。
7月18日、ランパードに残留して欲しい
7月19日、ドログバに残留して欲しい
移籍・退団の噂が報道されているチェルシーの主力2人へのラブコールだ。
いずれも「2008-09シーズンのCLで、チェルシーが初優勝するためには・・」というテーマと紐付けている。
以前からチェルシーにいる選手からの、この二人の去就についての見解は報道されていない。
ランパード(イギリス国籍)は 2000-01シーズンオフにウェストハムから移籍してきて、ここまで、チェルシーで7シーズンを過ごした。報道によると、本人は前チェルシー監督のモウリーニョが監督に就任したインテル(イタリア セリエA)への移籍を希望しているようだ。契約はあと1年。今すぐ移籍するとチェルシーには移籍金が入る。来年の夏には契約が切れるため、移籍金なしで自由に移籍することができる。
掲示板で見る限り、ランプスという愛称で親しまれており、ファンはチームの顔として接しているようだ。
ドログバはチェルシーのエース・ストライカー。
2008年5月のCL決勝では、終了間際に相手選手にビンタをはって退場。ドログバ不在のために、お鉢がまわってきたテリーが、優勝を決めるPKを外すという展開につながった。
あのビンタがなければ、今頃デコが着ているユニフォームは違う色だったかも知れない。
ドログバが退団した場合、エトーやロビーニョを獲得するという報道がされている。
デコとエトーはバルセロナで4シーズンを共にした。変わり者と言われるが、男気のある選手で、デコは好意的に評している。
ただ、怪我をしやすく試合出場が少ない。
バルサがクラブ世界一を取りに来たCWC2006の時も、彼は怪我による長期離脱中で、チームにいなかった。
エトーを獲るよりもドログバが残ったほうが、プラスだろう。
チームの主力が出て行けば、チーム力が落ちないわけがない。
だが、それに取って代わる選手が入団すれば、相対的にチーム力は上がるかも知れない。
何がチームにとってプラスなのかは、そのシーズンが終わり、結果が出なければわからない。
この時期、選手個々が抱く移籍の意図に、いちいちコミットすることは、実りが多くない。
場合によっては「一選手のくせに僭越だ」という印象を、首脳陣やファンに与えかねない。
「そんなの関係ない」と口にチャックを決め込むのが一般選手だ。
だがデコは言う。
誤解や軋轢を怖れず、信じる言葉を公に発する。
人によっては「新参者が監督気取りかよ」と言うだろう。
だが、それこそデコにとっては「そんなの関係ない」のだ。
人間としての軸がぶれないデコ。
体の軸がぶれないことを「体幹が強い」と言う。世の中は今、体幹ブームだ。
デコは世界中のフットボール選手のなかで、最も「心の幹が強い選手」と言えるだろう。
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