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2008年7月14日 (月)

公に尽くす動機 私欲のための動機

 health
 【小児科、産婦人科倍増法】
 小児科医、産婦人科医は名誉国民とする。ただし2010年以降に就職した者に限る。
 1990年代から、小児科医、産婦人科の不足が問題視され始めた。
 2010年に「小児科産婦人科特例法」が制定されて、医師の税制が優遇されたが、2020年までの10年期で医師の数は10%の伸びに留まり、同法は廃止された。

 「小児科、産婦人科倍増法」では当該医師・施設の所得、不動産を非課税とし、当該医療裁判の被告となった場合、専門の国選弁護人をつけ、裁判費用を国で負担した。
 名誉国民の称号を与えたのは、医師を目指す学生に、公僕としての働きを頼むというメッセージ。

 国民の暮らしを支える職業を公僕と呼ぶ。その職を目指す動機は人によって違う。次に挙げる6つの職業は特に二面性が強い。

 公に尽くす動機
1,子どもの教育に燃えているから、先生になる
2,公正な社会を築きたいから、弁護士になる
3,地域の役に立ちたいから、地方公務員になる
4,国の役に立ちたいから、国家公務員になる
5,地域をよくしたいから、代議員になる
6,人の命を救いたいから、医者になる

 私欲のための動機
1,地元で就職できて安定しているから、先生になる
2,世間体が良くそこそこに儲かるから、弁護士になる
3,地元で暮らせて安定しているから、地方公務員になる
4,給料が高く安定していて老後もおいしいから、国家公務員になる
5,利権に預かることができるから、代議員になる
6,いい暮らしができるから、医者になる

 公務員・弁護士・代議員は希望者が多く、なり手がいなくて困るということがない。
 だが、医者はなり手がいなくなると困る。

 2000年代、医療費の負担率が上がった時、メディアと野党は「医療の切り捨て」と言った。
 誰も言っていないのに「お年寄りは死ねというのか」と作り話をしていた。

 医療負担を上げざるを得なかったのは、当時の為政者が非情だったのではない。その前の時代に、みんなのお金を使ってしまった人がいたのだ。

 夜な夜な勝ち組の仲間と集い、高級外車に乗り、セキュリティ会社に守られる暮らし。本当にそれが公僕の志で、目指していたことか?
 人に羨まれ、妬まれる暮らしが望みならば、その公僕に国民の声は届かない。

 2010年代からの20年。公僕が小欲をもって、公に尽くす。
 この当たり前の価値観は遠い距離を超えて、日本のあちこちに芽吹いていた。だが、それが国民の共通理解になることはなかった。

 僕がやるべきことは、真っ当に働く彼らに、お天道様はいつも見ていると声をかけることだ。僕はブリーフィング以外では世間と接していない。一人一人に激励のメールを送る代わりに、法令でささやかな声援を送る。

 labor 労働
 【移民法】
 労働力の確保、過疎対策、二つのテーマを「移民法」で解決した。

 日本が2004年12月をピークに人口減少に転じて30年が過ぎていた。
 人口減少は、地方の過疎化を加速した。
 2017年度から導入された道州制により、国と地方の行政の枠組みは変わったが、過疎地域が過疎地域であることは何ら変わらない。

 労働力確保策としては、外国人定住者を、公式に移住者として認める政策が度々議論されていた。
 ただ、外国人は都市部に集中して住む傾向があるため、永住権の基準を緩和しただけでは、過疎対策が片づかない。

 移民法の前文には、こう記している。



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