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2008年7月13日 (日)

これもサッカーだよ~ん

 「判定に文句をいうのはいつも敗者」

 前バルセロナ監督 フランク・ライカールトの言葉だ。
 今日は、敗者として、大いに文句を言います。

 ユーロ2008観戦が終わった。
 全31試合。生と録画で初めから終わりまで見た。
 4年前のユーロ2004の時は、イタリア・リーグが「セリエA」で、スペインが「リーガ・エスパニョーラ」であることしか知らなかったので、当然 1試合も見ていないし「ユーロ」そのものを知らなかった。

 日本代表がW杯に出るようになってから、3度のW杯を見て、今回初めてユーロを見た。
 今回初めてユーロを見て、よくメディアとブロガーが言う「ユーロは、W杯よりレベルが高い」という論評が本当だとわかった。

 アジアが出ていないので、専守防衛の試合がない。
 足下でボールが止まらない選手もいない。
 アフリカが出ていないので、ドイツの上を行く、空中アスレチックサッカーを見なくて済む。

 ユーロ2004で、どのようなプレーをした国が優勝したかは風評しか知らないが、ユーロ2008は、それと比べれば「サッカーとは攻撃しあうスポーツだ」という志の監督と選手が多かったのだろう。

 今回、ポルトガルにとって、優勝はさほど難しい目標とは思えなかった。
 ただ、唯一歯車がかみ合わなかった試合に、その日だけ、歯車が2度かみ合ったチームと当たってしまったのが不幸だった。
 それだけの悪い状況でさえ、スコアは2-2だったが、注意力の低い審判が「これもサッカーだよ~ん」とバラックが奪った反則ゴールを無効にしなかったため、万事休した。

 決勝戦後、ドイツのGKレーマンはロゼッティ主審の判定に不満を漏らしていた。(Goal.com より)
「ロゼッティはとても傲慢な振る舞いだった」
「ポドルスキに対する頭突きでシルバを退場にすることもなかった」

 ポドルスキが「ほれほれ、ここに頭突きしてみな」とシルバに頭を突き出して挑発する映像を見て、下品な選手だと思っていたら、挑発に乗ったシルバを退場させなかったと、がっかりしている人がいた。
 しかも、このシーンは直接ゴールとは関係がない。

 そんなレーマンでも、きっとバラックの確信犯ゴールには「それもサッカーだよ~ん」と言うのだろう。

 いきつく結論はこうだ。
 サッカーは、レフェリーが裁くスポーツの一つに過ぎない。
 審判批判は、次の試合までの暇つぶしにはなるが、それ自体は、いかなる事実も変更しない。
 やり直しのきかない大会、テレビ朝日的に言えば「絶対負けられない戦い」だろうが、お構いなし。
 サッカーの試合は4人の審判の8つの目で決まる。VTRも、視聴者も、観客も何も決められない。

「審判が裁くスポーツでは、VTRやコンピューターなどの補助的判断材料を導入しなければならない」という法律ができない限り、判定にぶーたれることは意味を持たない。自らが心の健康を害するだけだ。

 サッカーを見続けるならば、この問題へのこだわりを忘れなければならない。

 敗因となったバラック・ゴールの反則シーンがリプレイされている時のこと。
アナウンサー「バラックがパウロ・フェレイラを」
解説奥寺さん「ちょっとね ^^;)」
アナウンサー「押したように見えましたが」
解説奥寺さん「ちょっとね ^^;)」

 あの日、バラック・ゴールに「これもサッカーだよ~ん」という寛容な姿勢を見せ、ご満悦だった奥寺さん。決勝戦後、日本のスタジオで、その表情が沈んでいるように見えた。



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