政治家とメディアがつっこんではいけないこと
国民には知られていないが、公共工事は必ず費用対効果を見積もっている。
かつて「試算表は存在しません」と言っていた官僚がいたが、それはただ嘘を言っているだけだ。
どんなに小さな工事でも国土交通省のスタッフが、詳細に精査した資料を作る。
そして試算により、費用に対して効果が“二倍"と算出された工事だけが行われる。
「二倍」なのである。
素人はこれを聞いても、にわかに信じない。
トントンは一倍だから、その二倍といえば、大きく利益が出ることを意味する。
赤字とは一倍を切ることである。
官僚が「二倍」と資産した事業だけが、日本では行われる。
だから、日本には赤字は一円もない・・
はずなのだが、なぜか1千兆円の赤字がある。
誰が、どのようにごまかしているのかについては、政治家もメディアも詳しくつっこんではいけないことになっているので、誰もが口をつぐんでいる。そして、時間が過ぎれば「水に流す」ことになっている。
「費用対効果がトントン?そんなことでは血税は使えませんよ。
せめて効果が二倍はないとね」
官僚が涼しい顔で言ってのける。
そして、赤字の道路、施設が残る。
血税は特定の人達の生業となる。
そしてすべて、水に流す。
僕は五年の月日の大半を、新しい法律づくりに費やした。
従来法の廃止・決議の廃止は、首都法を含めても数えるほどしかない。
「時間がなかった」というのは言い訳にはならない。
痰を吐くなとか、路駐をするなという法律に費やす時間。
部活や読書に充てる時間を削れば、逃げ切った人から金を取り返す法をつくることはできた。
僕には総理と二人のIDOへの遠慮があった。
既存の勢力への畏れがあった。
国民が僕を支持しているという甘えもあった。
独りの力でできることには限界があるという開き直りもあった。
逃げ切りを許さないことが、不正の根本を断つ。
人間として正しいか、それを、どこまで追いつめるべきなのか。
後任となるだろうあなたは、どう考えるだろうか。
残り三ヶ月。僕は最後まで“愛のカテゴリー"に悩んでいる。
次回は8月14日に掲載します。
「独裁者」もくじ
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