« 27年越しのリレー | トップページ | 地面に落ちたたすき »

2008年9月12日 (金)

MLを使った無責任な仕事 「生命保険の説明書」方式

 「たまには、パソコンのデータをバックアップしよう」ということになった。
 仕事で使っているパソコンは、滅多にバックアップを取らない。
 最後にとったのは、いつだったか記憶がない。

 700MB以内ならば、CD-ROM1枚に入る。
 確か、前回はCD-ROM1枚に収めた気がする。

 スタート>エクスプローラを開く
 マイコンピュータ>ローカルディスク(C)>Documents and Settings
 右クリックしてプロパティで、容量を見る。

 100MB ・・・ 500MB ・・・
 数字がカウントアップしていく。
 1GB ・・・ 2GB ・・・ なかなか止まらない。
 ようやく数字が止まった。

 ディスク上のサイズ 13.0GB

 なんだ、それは?
 いつの間に、僕はそんな仕事人間になったのか?

 その肥大なファイルの正体はメール。
 それも、余計に届くメールだ。

 MLを業務に使うようになって、仕事は便利になった。

 MLはメーリングリスト。
 リストに複数の登録しておくと、その宛先に一斉にメールを送ることができる。

 「ISO14001関連プロジェクト」というプロジェクトがあるとしよう。
このプロジェクトには10人が関与している。

 その10人は部署がばらばら。
 違う会社の人も1人入っている。

 このプロジェクトについての連絡メールを出す時、10人のアドレスをその都度指定するのは大変だ。
 eメールが始まった当初は、メーラーのアドレス帳に「新しいグループ」を作って、そこに10人を登録していた。

 ただ、アドレス帳は個々人のパソコンの中にあるので、10人がそれぞれに「新しいグループ」を作らなければならない。
 パソコンが苦手な人はこういうことができないので、毎回、送信に手間がかかる。
 また、アドレス帳のデータを使って、迷惑メールを送信するウィルス・プログラムが多く、アドレス帳の使用はためらわれた。

 MLは責任逃れに便利だ。
 このグループにメールを送りさえすれば、後から
 「俺には話がなかった」
 「聞いていない」
 攻撃を受けることがない。

 メールをしておけば、
 「俺は伝えたからな」
 「説明したからな」
 と言い張れる。

 だから、MLは一気に世の中に定着した。

 だが、あまりにたくさんのメールが届くので、次第に人はMLをまじめに読まなくなる。
 メール本文の先頭に 「佐藤 様」 と自分の名前を発見した時だけ読む。
 MLはざっと読む。
 だから、自分へ届いた大切な依頼を読み飛ばしてしまうことも、ままある。

 すると、今度は、送る側も手を打ってくる。
 MLには入っている人なのに、さらに、本人アドレスを宛先に入れる。

 あなたの仕事ですよ!と強調する。
 これをやられると、同じ内容のメールが2通届く。

 メールを責任逃れに使う、現代のサラリーマンは、メールにさらに
 「添付ファイル」
 をつける。

 添付ファイルがついたメールを
 「メールを転送します」
 と一言だけ書いて、仕事は終わったと思う人がいる。

 あとから、この話聞いてないよね?と言うと、
 「●月●日 ▲時▲分にメールしてるよね」
 とくる。

 えっ、そうなの?
 と、そのメールを探し当てると、そこには
 60ページのスライドショー
 が、ついていたりする。

 こういう人の仕事のやり方を、名付けて
「生命保険の説明書方式」と呼ぶ。

| |

« 27年越しのリレー | トップページ | 地面に落ちたたすき »

ビジネス」カテゴリの記事