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2008年9月 6日 (土)

たすきリレーでリード

「いやぁ、きつかったぁ~」
安堵の様子を浮かべる、素人「走る男」

周囲の玄人「走る男」の間に、よかったなぁ
というあったかい空気が生まれている。

「アドバイスどおり、初めはゆっくりはいりましたよ」
へぇ、そうなの。そういう人のアドバイスを素直に聞き入れるところがすばらしいね。

聞く耳をもつ人は、いい顔をしている。
聞く耳を持たぬ人の顔は、険悪か辛気くさいかのどちらかだ。
彼のように、助言に素直でありたいと思う。

いよいよ、代走駅伝「走る男」も終盤
僕の前を走るランナーの出番が迫る。

手元のフォアアスリート(GPS)で確認すると、ゴールの横浜まで、もうあまり距離が残って
いない。まだ走っていないランナーの数で割ると、
一人あたり1kmあまり。
どれくらい走らせてもらえるのか?
500m程度で「はい、そこまで!」と言われはしないか?
気が気でない。


ところで、あなたは、たすきをかけて走ったことがあるだろうか?
運動会でバトンリレーの経験はあっても、駅伝の選手でない限り、たすきリレーの経験はないだろう。

たすきリレーの駅伝なんて、一生に一度かもしれない。そう思うと、何か変わったことをしたくなるのが、僕の悪い癖だ。

 

そこで、とっさに思いついた一興を、前走者に提案した。
「僕、たすきリレーの時に、リードとりますから追いかけてくださいね」
「了解」

 

いつも、近所の川沿いを走っているというアスリート系の前走者は、僕の酔狂をあっけなく快諾して、出陣していった。

いよいよ、その次は僕の出番。
より、レース本番の空気を醸し出そうと準備にはいる。

両手にはレース手袋
ひざには、テーピング
腰にウェストポーチ
ポーチには100mlの給水ボトルが入っている。

わずか1kmを走るためには、まったく必要のない装備。
カタチから入る男の面目躍如・・
というか、ただのお調子者だ。

さすがに、鼻孔を開くテープを貼るのは、もったいないからやめた。

 

バスが停まった。
バスはランナーを先回りして走り、リレー地点に停車して、後続のランナーを降ろす。

「はい、次はmotoさん。お願いします」
番組スタッフに促され、席を立つ。

つづく
森脇健児さんに代わり、ファンが走った日 代走「走る男」もくじ

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