« MLを使った無責任な仕事 「生命保険の説明書」方式 | トップページ | プレミアリーグ2008-09開幕 »

2008年9月13日 (土)

地面に落ちたたすき

アスリート「走る男」から、奪うようにたすき
を受け取ると、猛然と走り出した。

すると、すぐに、たすきがするすると地面に落ちた。

肩からかけたたすきがこんなに簡単に落ちるとは
予想外だ。

狼狽しながら、たすきを拾っていると、自転車
で追いついてきた、番組ADのOさんが
「それ、引っ張るんですよ」
と教えてくれた。

そう言われて、たすきを見ると、結び目があり
そこからぎゅっと引くと、肩から「たすきがけ」
の位置にぴたりと決まった。

Oさんは、この炎天下、自転車に乗り、ハンディカム
を回して55kmを走っている。
いったい、どんな体力をしているのか・・・
この激務は、労働基準法に、ひっかからないのか

それにしても、なんだか変だ。
どうにも、走りがおかしい。
少しペースを落として、走りを分析してみる。

すると、走り方が高校の頃、つまり素人の走り
になっていることがわかった。

素人ランナーが、ぴょんぴょん跳ねる、あの走り方。
まるで短距離レースの延長線上に42kmがある
かのような走り方。

これではいけない。
陽はずいぶん西へ傾いたが、それでもまだ
気温35度の余韻で暑い。

落ち着こう。マラソンシーズンはどのように走っていたか?急いで回想する。

確か膝の位置を変えないのだ。そして、頭の位置はまるで自転車に乗っているかのように平行移動する。

実話として紹介されている瀬古利彦の逸話がある。瀬古利彦といえば、一糸乱れぬピッチ走法が美しい。

ある日、瀬古利彦がいつものように近所をジョギングしていた。

「あれ、今日は瀬古さん自転車でお出かけなのか?珍しいな」

それをブロック塀越しに見ていた近所のおじさん。瀬古利彦の頭だけが見えているのだが、それがまるで自転車に乗っているかのように平行移動していった・・・

それほど上下動がないということである。

このイメージはフォームの乱れをチェックする時にいつも役立っている。そこからいい時のフォームに必要な要件が蘇ってくるのだ。

そうだ、丹田に力を込めればいいんだった。
下腹にぐいっと力を込めると、足が地に着いた。
そうして、100mも走ると、いつものど素人マラソン
ランナーの走りが戻ってきた。

Oさんは、カメラを回しながら、話しかけてくる。
いつも、誰かと走ったことはないし、走りながら
しゃべるなんて体力は、僕にはない。

2、3の質問をやりとりした後、その先は続かなかった。

| |

« MLを使った無責任な仕事 「生命保険の説明書」方式 | トップページ | プレミアリーグ2008-09開幕 »

しらべるが走る!」カテゴリの記事