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2008年10月 1日 (水)

苦労人 森脇健児

 おじさんと森脇さんが抱き合う。
 お兄さんに森脇さんが声をかける。

 

 見ていてなんだかよくわからない。

 

 それはそうだ。
 その伏線となるドラマは、TVKでは、代走した日の夜に放送された。

 

 ひとしきり、握手や抱擁が終わると、僕らは海辺に移動して
エンディングの映像を撮る。

 

 森脇さんが感謝のことばを述べる。
 僕らは笑顔でそれに聞き入る。

 

 散歩していた、みなとみらいの観光客が携帯カメラでそれを撮る。

 

 ここで森脇さんが話した内容は、即座に「走る男」ホームページに書き込まれていた。
 そして、それについて、閲覧者からの賛否両論のコメントがついていた。

 

 僕ら代走「走る男」にしか共有できない空気がある。
 僕らはそれを心にそっとしまい込んで、その喧騒をやり過ごす。

 

 日は落ちて、横浜の海辺に帳が降りた。
 ひとしきり、互いの労をねぎらい合った後、僕らは荷物が置いてある「走る男」のマイクロバスに戻る。

 

 自分の荷物をピックアップして、コンビニの陰に隠れて着替え。
 シャツをたたんで、仕舞う。
 mizunoのロゴが入ったシャツに着替えて、バスのところに戻ると、即興の記念撮影&サイン会が始まっていた。

 

 僕も1枚だけ写真を撮る。
 左手を伸ばしてカメラをこちらにかざし、顔を寄せてぱちり。
 周りでみていた「走る男」たちが、あっと驚いて(言ってくれれば)シャッター押すのに と言ってくれた。

 

 「確認してくださいね!」
 え?
 「確認してくださいね!」
 ちゃんと撮れているか、確認してくださいね。という森脇さんの言葉。
 それは新鮮だった。

 

 その場で映像が確認できるデジカメの時代だからいえる言葉。
 だが、著名人から、そんな台詞を聞くとは予想外だった。

 

 名残は尽きない。
 熱い森脇ファンと森脇さんの交流は、いつ終わるともわからない。
 僕と、僕の前走者は、ここらでお暇することにした。

 

 黙って帰るのは大人げないので、周りに気づかれぬよう、そっと番組スタッフに近寄って、断っていく。
 「ありがとうございました。帰ります」

 

 そして、5歩ほど背を向けて歩いた時、背後から大きな声が追ってきた。
 「あ、ありがとうございます」
 森脇さんが、追いかけて歩み寄ってくる。
 あ、歓談のじゃまをしてしまったなと思いつつ、
 ありがとうございます!
 と応えて、今日2度め、そして、今度は別れの握手。

 

 ありがとうございました!
 お疲れ様でした!

 

 森脇さんと代走「走る男」達に見送られて、横浜の駅を目指して歩き始めた。

 

 なんて、律儀な人なんですかねぇ・・
 ほんとですね。
 僕らは、そんなふうに、今日一日と森脇さんの人柄を振り返りながら帰途についた。

 

 苦労人
 人想い
 この日、森脇さんと直に会った印象はこれに尽きた。
 恐らく、芸能界の厳しい競争のなかでもまれて、大変な苦労をされているのだろう。
 そう想わずには、いられなかった。

 

 森脇さんの「走る男」の旅は、今もつづいている。
 ゴール予定は、来年2月、沖縄首里城。

 

 10月からは、半年ぶりにネットする放送局が1つ増える。
 福岡のTVQ
 これまで、もっとも西でも神戸のサンテレビだったので、ほっとした。
 それでも、四国、九州、沖縄
 まだまだ足りない。

 

 これから、各地テレビ局の皆さんに、この番組の噂が目にとまるよう、できることをしたい。

 

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