天は追いつかれた方に味方する。
セリーグの優勝争いの話である。
今から14年前のこと。
1994年 9月中旬のある夜、僕はナゴヤ球場の入り口に立っていた。
懇意にしていた業者さんが、中日-巨人戦のネット裏指定席の招待券をくれた。
名古屋駅から電車を乗り継いで、ナゴヤ球場に着く。
雨は降っていないが、台風が近づいていて風が生暖かい。
人影はまばら。
指定席の入り口までいくと「本日中止」のカンバンがあった。
招待券は振り替えが効かない。
雨は早くにあがっているから、試合はできると思えた。
だが、観客の足や安全を考慮して中止となった。
1994年はシーズン序盤から巨人が首位を独走。
8月にも優勝が決まるのでは?と言われていた。
ところが、夏場から巨人が失速。
中日が追い上げ、この日は最後の直接対決。
いわゆる天王山
追い上げる中日
息絶え絶えの巨人
そこに台風がやってきた。
この日の中止は、10月8日に組み入れられた。
長嶋監督はシーズン終了後、こう語っている。
「あの中止に救われた。チーム状態がどん底にあった9月に対戦していれば、高い確率で敗色が濃かった」
巨人は中日に同率首位には並ばれたが、一度も逆転を許すことはなかった。
長嶋監督は追い抜かれなかったことで、士気が下がらなかったと述べている。
14年の時が流れ、今度は阪神に巨人がおいついた。
だが、巨人は一度も追い抜いていない。
9月30日、雨の横浜スタジアム、巨人が3-0で勝った日。
甲子園の阪神-中日は中止となった。
この中止は、10月12日に組み入れられた。
中日はクライマックスシリーズ出場権を得るために、カプーと3位を争っている。
10月4日、5日、その中日と戦う巨人
その時点ではまだ、中日はまだ真剣モード。
だが、中日が阪神と戦う12日はセリーグ日程の最終日。
3位の行方は見えているだろう。
中日は本気モードではなく、クライマックスか、あるいは来期に向けての調整モード。
9月30日に戦うよりも、阪神が1勝を得る確率は格段に高い。
天は追いつかれた方に味方する。
という後日談が語られるか、そんなの全然関係ない。
ということになるか。
いずれにせよ、勝負の値打ちがない余興試合(クライマックス)の前に、真の戦いが白熱することは喜ばしい。
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