マルハのハンバーグとの再会
N700系で行く品川博多の旅【 +6 】<最終話>
MARUHAフィッシュハンバーグとの、この夏の再会はあきらめて、東京に戻った。
これは一度、安否をマルハに尋ねた方がよさそうだ。
まず、ホームページを閲覧。
会社名がマルハニチロに変わっていた。
掲載されているフィッシュハンバーグは「DHA入りリサーラハンバーグタイプ」「ライトバーガー」「ランチバーガー」の3商品。
お目当てのMARUHAフィッシュハンバーグは見つからない。
予感は確信に変わりつつある。
恐らく、MARUHAフィッシュハンバーグはもう作っていないのだろう。
数日後、問合せの回答が届いた。
やはり現在作っているのはホームページに載せている3点のみ。
それも近隣で買えるのは「DHA入りリサーラハンバーグタイプ」だけだった。
早速、教えてもらったスーパーへ出かける。
3個だけ在庫があった。
いつものように切って食べ、焼いて食べる。
だが、落胆した。
噛むと崩れる歯ごたえ。舌の奥に残る塩辛さ。どれもがない。
こうして、MARUHAフィッシュハンバーグを探す旅は、もうお目当ての相手が存在せず、替わる品もないという結論を得て終わった。
・・・と思っていたら、佐世保の親戚から、マルキョウのある店舗でMARUHAハンバーグを発見したというメールが届く。
とりあえず 5個買っておいたけど、お店の人に尋ねたところ「倉庫にあと2箱あります」という。
そうか。市場在庫というやつがあったか。
ただ、賞味期限を過ぎれば在庫があっても、もう店頭から撤去されるはず。これがマルハのハンバーグを食べる生涯最後のチャンスになる。
「倉庫ごと買ってきて!」
ただちに返信した。
ところが3日後、お店に行くともう跡形もなく売り切れていたという。
世の中には、僕のようなMARUHAフィッシュハンバーグファンが他にもいて、必死に探していたのだろう。
数日後、最後の5個が届いた。
まず、1個そのままかぶりつく。身が崩れる。塩辛い。これだ、それでこそマルハのハンバーグだ。
つづいて厚切りにして焼く。
サラダ油を真綿のように吸うのが気になるが、その美味さには換えられない。
チャーシューで埋まったチャーシュー麺さながらに、サンポー焼豚ラーメンとの黄金の組み合わせでも一個いっておく。
もう味などどうでもよくなっている。
さて、残りの1個は賞味期限切れの日まで、とっておこう。
そうして非常食入れのリュックにハンバーグを仕舞った日。
親戚から一通のメールが届いた。
また、マルキョウにあったけん。
30個買っておいたよ__
その30個を食べながら、新発見をした。
前回、輪切りでは中まで熱が通らなかったが、ハンバーグを千切りにしてカップ麺に入れて3分待つ。ハンバーグの風味が熱で溶け出して、ラーメンと抜群の相性になった。
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