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2008年12月25日 (木)

三度、だめかと思った。

RZ350発売当時、ヤマハから車体と同じカラーリングのヘルメット CLC350 が35,000円で販売されていた。欲しかったが、お金がなくて RZ50用のCLC050、15,000円をかぶっていた。

バイクは盗難に遭うことが多い乗り物だが、特にこのバイクのオーナーには盗難経験者が多い。
ある時、乗ろうとすると 鍵穴が壊されていた。
盗難未遂である。
そのバイク置き場は、壁一枚隔てたとなりが交番だった。そのバイク泥棒も肝が据わっていたものだ。
よほど欲しかったのだろう。

当時、バイクに乗る機会が減っていて、バッテリーがあがらぬようマイナス側の接点を外していた。
それで命拾いした。
バイク泥棒は直結したのに、エンジンがかからず諦めたのである。

 

このバイクでは三度怖い目にあった。
一度めは福岡の峠道。
初めて通るカーブが、思いの外奥が深く、曲がりきれなくなった。
カーブは右カーブ。
ガードレールはあるが、転倒して滑るとガードレールの下をくぐり抜けてしまう。
その先は切り立った崖。
まず助からない。

その時、一瞬ケニー・ロバーツになった僕は、いつになく深くバイクを倒した。
ステップが地面に接して音を立てた。
すると何事もなかったかのように、バイクはコーナーをクリアして巡航をつづけていた。僕はスピードを緩めて、きょろきょろと辺りを見回した。
「おれ、生きてる?」
削れたステップはやがて、その部分から錆びていったが、その錆びは、ここまでバイクを倒したという証となった。
行きつけのバイク屋「BLUENOTE」で「ここまで倒した」と仲間に錆びを自慢したが、誰も信じてくれなかった。

 

二度めは佐賀県から国見峠を越えて佐世保に下る道。
佐世保の方ならば「あぁ、あそこね」とわかると想うが、一か所だけ極端に深い左カーブがある。
そこでは、親戚がセンターラインをオーバーしてきたクルマと正面衝突したことがあった。
わかっていたが、曲がりきれずセンターラインを超えた。
観念したが、対向車がこなかった。

 

三度めは沖縄でのツーリング。
琉球大学に進んだ旧友、佐世保北高の後輩たちの5台で沖縄一周。
南国の太陽でつるつるになった路面。見るからに滑りそうだ。
そこを地元のやつらはお構いなしにとばしていく。
RZ350に乗る僕が、XL125やRS250に置き去りにされる。
負けられない・・
そう思ったとたん、左カーブで曲がりきれなかった。
対向車は・・
 
なんと大型ダンプがきた。
その距離が 3m 2m と近づいてくる。
最期だと思った。
そしてぶつかった。
すごい音がした。

1分後、路肩にとめたバイクに仲間が駆け寄ってくる。
ところが、バイクは右ミラーが割れただけだった。
不思議なことに、そのミラーのゴムパッキンが、左のチェンジペダルに絡んでぶら下がっていた。
いったいどうやって、体勢を立て直したのかまったく覚えがない。

他人と走るのはこれで懲りた。

つづく

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