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2008年12月12日 (金)

「言ってください」と言われても、誰も言えません。

「言ってください」
と言われて、本当に言う人は滅多にいない。

職場では毎日、決まった女性が流し台の掃除をしている。
来る日も来る日も同じ人だ。
別に「流し台担当」「水回り担当」「雑用担当」という役回りが決まっているわけではない。
男性も女性も、誰もが一般職である。

ある時、聞いてみた。
moto 「それって自主的にやってるの?」
サトウさん「まぁ、そうねぇ」
moto 「ほかの人はやらないの?」
サトウさん「 "言ってください" とは言われているんだけどねぇ・・」

 彼女に「言ってください」と言ったスズキさんは、言ったことで満足したのだろう。
 自分はそのことに気づき、声をかけた。
 だけど、サトウさんからはその後、手伝ってという声はかからなかった。
 だから、それでいいのだ。

 水曜日は私がやりますから・・
 といった提案がなかったということは、それは自分がする仕事ではない。
 サトウさんの "手伝い" を自発的に買って出ようとしたのだ。
 スズキさんは、自分は「気づき」のある人間だと思っているのだろう。

 ここで、はたと考えた。
 スズキさんのことはどうでもいい。
 自分はどうなのか?
 流し台の掃除は、女性がやるものと予見を持っている。
 だから、女性二人の物語で終わらせようとしている。

 この話は自分も含めた現場で起きているものなのだ。
 人のことを言う前に、自分はどうなのか。

 それ以来、誰も見ていない時を見計らい、拭き掃除をすることにした。



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