「言ってください」と言われても、誰も言えません。
「言ってください」
と言われて、本当に言う人は滅多にいない。
職場では毎日、決まった女性が流し台の掃除をしている。
来る日も来る日も同じ人だ。
別に「流し台担当」「水回り担当」「雑用担当」という役回りが決まっているわけではない。
男性も女性も、誰もが一般職である。
ある時、聞いてみた。
moto 「それって自主的にやってるの?」
サトウさん「まぁ、そうねぇ」
moto 「ほかの人はやらないの?」
サトウさん「 "言ってください" とは言われているんだけどねぇ・・」
彼女に「言ってください」と言ったスズキさんは、言ったことで満足したのだろう。
自分はそのことに気づき、声をかけた。
だけど、サトウさんからはその後、手伝ってという声はかからなかった。
だから、それでいいのだ。
水曜日は私がやりますから・・
といった提案がなかったということは、それは自分がする仕事ではない。
サトウさんの "手伝い" を自発的に買って出ようとしたのだ。
スズキさんは、自分は「気づき」のある人間だと思っているのだろう。
ここで、はたと考えた。
スズキさんのことはどうでもいい。
自分はどうなのか?
流し台の掃除は、女性がやるものと予見を持っている。
だから、女性二人の物語で終わらせようとしている。
この話は自分も含めた現場で起きているものなのだ。
人のことを言う前に、自分はどうなのか。
それ以来、誰も見ていない時を見計らい、拭き掃除をすることにした。
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