国会便覧はまだ売っています。
図書館名簿利用制限 続く
読売新聞1月12日朝刊 社会面に記事が載っている。
・元厚生次官襲撃事件の容疑者が「国会図書館で調べた」と供述したことをきっかけにして、全国98自治体が名簿等の利用制限をおこなっている。(要約)
記事によると「厚生省名鑑」や中央省庁の職員録などの「名簿」について利用制限が行われているという。
厚生省というのは2001年に厚生労働省となる前の呼称であり、厚生省名鑑もそれ以前の書物。もう書店の店頭には置いてないが、図書館に行けば見ることができる。
何らかの規制をしている98自治体には東京都が入っている。
1月12日、東京都の全図書館の蔵書を調べたところ、"厚生省名鑑"は杉並区と都立図書館に蔵書があった。
記事によると東京都は閲覧を禁止しているという。
2004年、田中眞紀子衆議院議員について、政治とは関係のない個人的な事情を「週刊文春」が書いて出版停止になったことがある。
大半の駅売店は店頭にあった同誌を撤去した。
この時の東京の図書館の対応は、表紙に注意を喚起する紙を貼り、そのまま閲覧。そして次号発売後は貸し出しもおこなった。
このように、ケースバイケース。対応は一律なものではない。
今回「名簿」についての閲覧禁止は、事態の重大性に鑑みて的確なものである。
読売新聞記事には、「名簿」を閲覧禁止にした措置について、"ほかにも情報入手の手段はある。利用制限は図書館の使命の自己否定" と批判する意見が載っている。
かつて「日本にはお金がないわけじゃない。だから首都移転に10兆円くらい回したっていいじゃないか」と言っていた先生のことを思い出した。
いま目の前で、現実的にどういうことが起きているか、どういうリスクがあるのかという考え方を避けて、都合のよい論理と言葉に遊ぶ人の意見は不愉快だ。
さて以前に指摘した、国会議員の個人情報がまるまる載っている「国会便覧」については、どうだろうか。
東京都立のある図書館で調べたところ、以前は貸し出しも可能な資料だったが、現在は貸出不可・館内閲覧のみの「参考資料」となっていた。
ただし「国会便覧」は書店、amazon などでは、今も買うことができる。
公人受難のやっかいなことが起こらないことを、心より祈る。
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