特別会計で食っている人たち
確かに財政再建の途は消費税率アップだけではない。
だが、自称玄人たちに強力な対案があるわけでもない。
彼らは言葉遊びの一環として、いろいろな方法論をあげつらう。
議員の削減、公務員の半減、公共事業の見直し、
特別会計の見直し・・
そんなことができるならば、とうにやっている。
だが、それはできない。
なぜならば、それで食っている人の社会が日本だからだ。
特別会計にメスを入れるための切り口である「郵政民営化」がいい例だ。
どれだけの人がこぞって反対したか。
「郵便局を減らして、おじいちゃんには郵便を出すなと言うのか?」
などと、訳のわからない作り話をして、邪魔しようとした人がどれだけいたか。
郵政事業だけでなく、いかに特別会計のカネで食っている人が多いかがよくわかった。
■一般会計
国が1年間に使うお金の計画。収入は税金と国債発行。
毎年一月から開催する通常国会で決める。
一般会計とは別に、官僚のフリーハンドで決める「特別会計」がある。
日本の予算はざっくりと言って税収50兆円+国債30兆円の80兆円で組まれている。
実際には国債が30兆円を超えていたが、小泉内閣が「国債30兆円以内」にこだわり続け、2006年には新規国債発行額29.9兆円となった。
これにより2007年度予算(一般会計)は8年ぶりに80兆円を割った。
■特別会計
特定の目的のために特定の資金で組まれる予算。
一般会計(=国家予算)とは別に組まれる。
"表の予算"である一般会計が80兆円程度なのに"影の予算"である特別会計は200兆円を超える。本当の金額はごく一部の人しか知らない。
財政投融資は、この特別会計を財源として行われる。
消費税率アップに反対の人は、他に借金を返す方法はある。
それは財政投融資などの無駄遣いをしないことだ。
・・と言いながら、そういう人と郵政民営化反対の人が同一人物だったりするのが可笑しい。
いったい借金を減らしたいのか、増やしたいのか、その思考回路がさっぱりわからない。
どんなことを言っても、その論理の齟齬を国民は見抜けないと高をくくっているのである。
「消費税率アップの条文」に反対する人は、選挙に勝ちたい人たち。
「消費税率アップの条文」に賛成する人は、財政を立て直したい人たち。
では、なぜ「消費税率アップの条文」に反対すると選挙に勝てるのか?
それは国民の過半が "消費税率アップに反対" という世論調査結果に見て取れる。
その人たちが、次の衆議院選挙では「消費税率アップの条文」に反対する人に投票する可能性があるからだ。
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