不遇の時代を過ごしていない人
ある日、上司が部下のスズキさんに、メールで用事を頼む。
3月末に、計画達成の慰労会をしたいのですが、
ここは、総務係のスズキさんに幹事をお願いしたいと思います。
設営をお願いできませんか。
すると、スズキさんから申し訳なさそうな、返事が来る。
「私は総務担当ではありませんが・・」
不遇の時代を過ごしていない人は、このような部下の気持ちを理解できない。
あ、そうですか。
で、それがどうしたの?
俺が丁重に頼んでいるのだよ
てなもんだ。
世の中、厳しいんだから・・
僕なんか、もっと大きな仕事をしていて、大きな責任を背負っていて、大変なんだよ。
少々のことは、どうでもいいじゃないか。
誰が、担当かだとか、いちいち構っていられないよ。
というノリ。
これは、サラリーマンが専業主婦の妻に、
俺は外で働いているんだから、家の中のことを俺に頼むなよ
というのに、似ている。
今日はゴミの日だから、出勤のついでにゴミを出せ?
そんな、みっともないことできるかよ。
風呂掃除?
疲れているんだから、一日家にいるおまえがやれよ
それも、一理ある。
役割に沿って、餅は餅屋のことをする。
それは合っている。
だが、自分の役割以外のことでも、決してできないわけじゃない。
ひとつ、ここは相手の気持ちに立ってみよう。
そう考えることで、人間関係は大きく変わるのである。
君ねぇ、ボクは大変なんだから、そんなこと言うんじゃないよ。
ではなく、
君の気持ちを考えてみれば、確かにそうだね。
・・ と、このように言われてみれば、そういう考え方も、あっていいなと思うかも知れない。
人は助け合い、いたわり合わなければね。
だが、そう気づくのは、たいてい、ものごとに失敗した後。
なにも失敗していない人、不遇の時代を過ごしていない人には、理屈でしか、この感覚はわからない。
不遇の時代なくして、人は気づけないことがある。
一度目の不遇にけつをまくって、投げ出す人は、人に生まれてきた醍醐味を放棄している。
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