咳男は気づかない、重い罪
さて今日は、あなたのご家族について質問します。
「体力が弱っている高齢者」と同居していますか?
「試験が間近に迫っている受験生」のお子さんがいますか?
「はい」と答える人の比率は低いでしょうが、ここから先は、自分が「はい」だと想像して読んでください。
_____________________
体力が弱っている父と同居している。
そこへあなたが、職場でインフルエンザをもらって帰宅する。
インフルエンザが父に感染する。
あなたは、体力があるから、数日で治るのだが、父は死ぬこともある。
来週に大学入試が迫った子供がいる。
あなたが、職場でインフルエンザをもらって帰宅する。
インフルエンザが子供に感染する。
あなたは、しばらく辛い病状に苦しむが、それを理由に会社を休むこともできる。
子供は、心身のコンディションが崩れて、試験にベストを尽くせずに終わる。
このような家庭環境に身を置くあなたは、インフルエンザをお土産に持ち帰りたくないと思う。
ところが、あなたが風邪を移されたくなくても (※1)、
あなたに移すことを「へ」とも思っていない人がいる。
それが 「咳男」だ。
※1 風邪をうつす は漢字では「風邪を移す」と書きます。
1月28日に、東京都がインフルエンザ流行警報を発令しています。
咳が出ている時は、マスク着用を心がけましょう。
このように、職場で周知しても「咳男」はマスクを着けないし、咳をしてもお構いなしだ。
通勤電車に実在する、無数の咳男に対しては、通勤の間だけ自衛マスクを着用するという手を打てばよいが、自衛手段のために終日マスクを着けるのは鬱陶しい。
東京都は 2008年12月に「新型インフルエンザ予防の一手」というパンフレットを作成。
学校、電車の駅などで配布している。
その中に「咳エチケット」が書かれている。
咳エチケットとは、咳が出ている時、周囲の人を不安にさせないための礼儀。
(以下~東京都「新型インフルエンザ予防の一手」パンフレット~より引用)
咳エチケット
○咳などの症状があるときはマスクを着用しましょう。
○咳・くしゃみをするときは、周りの人から顔をそむけましょう。
○咳・くしゃみをするときは、ティッシュなどで口と鼻を覆って押さえましょう。
(引用終わり)
咳をする人は、こう言って開き直る。
「心配するなよ。俺はインフルエンザじゃないから」
だったら、何なのか?
「心配するなよ。俺の咳には菌は入っていないから」
菌のない咳なんてない。
顔をそむけても、手を当てても、周囲の人は咳を聞くだけで不快だ。
ましてや、家族に体力が弱い病人、子供がいる場合、不安で仕方がない。
周囲の人に安心感を与えるには、マスクを着用しなければならない。
咳男は、同僚の家族が死んでも、自分が間接的に殺したことに気づかない。
咳男は、受験が失敗しても、予備校の授業料を出してくれない。
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