このトイレに行った人は失格
東京マラソンを走りながら書いた 【 6 】
スタートして14kmを過ぎても、相変わらず、トイレに並んでいる人が多い。
この日、コース上のトイレは360基と発表されていた。
ボランティアが、トイレの列を仕切っている。
パイロンが立てられ、複数器のトイレに対して、フォーク並び。
列の先頭の人が、空いたトイレに駆け込んでいく。
とても統制がとれていて、見ていて安心感があった。
トイレを出た人は、パイロンで仕切られた順路を通って、コースに復帰してくる。
まるで、F1のピットインのようだ。
ルールに照らして言うならば、これらのトイレに行った人は、全員失格である。
マラソンのルールでは、コースに復帰する時は、コースを離れた場所から、ゴールに近づかない位置より戻らなければならない。
この設営では、コースを外れた場所から、20mほどゴールに近い位置から戻っており、コースの短縮にあたる。
トイレは歩道上に設営されており、百歩譲っても「トイレもコース上です」という解釈は成り立たない。
私設エイドを利用して失格になるのは、陸連登録者。
一般ランナーが沿道応援者からチョコをもらっても、失格は適用されない。
だが、コースアウトについては、陸連登録者だけに厳しく、一般には甘くと言う慣例はない。
整然としたトイレさばきは見事だが、コースのショートカットを容認するという、事前了解はあったのだろうか。
ただ、ほとんど小うるさいルールのない「走るだけのスポーツ」マラソンにあって、唯一と言っていいルールが、コースのショートカット。
人はどんなスポーツをする時も、まず、ルールを勉強する。
スポーツマンとして、これくらいは知っておいても、よいと思う。
この日、沿道に繰り出した応援者は、主催者発表によると136万人。
イベントを含めて195万人。
沿道応援者数
第1回 2007 138万人
第2回 2008 166万人
第3回 2009 136万人
朝のうち雨が残った第1回、お昼過ぎから雨に変わった今回が少ない。
このような人数は、もちろん、一人一人数えたわけではない。
集計方法は非公開。
複数の計測ポイントを設定して、そこでかぞえた人数を元に算出している。
主催者は、実数と大きな開きはないとしている。
東京マラソンを取り扱った出版物には、35kmからゴールまでの臨海地帯は、応援が少ないと書いてある。
だが、実際に走ってみて、最も応援が少なかったのは、12km地点の東京タワーを過ぎたあたりから、15kmまでの3kmだった。
対向車線の品川から戻ってくるランナーの列には、そこそこに応援がいるのだが、品川に向かう列の応援はまばら。
35km過ぎの臨海地帯も、人は少ないのだが、一人一人の応援が熱い。
それと比べると、ここはほとんど声もかからず、ちょっとお休みの区間だった。
いつか、このマラソンを応援に来ることがあれば、12km~15kmに陣取って、気の利いたことをしたい。
15kmの通過タイムは 2:14
依然として、予定していたタイムとの差異は 0分。
天候は曇り。
強い日差しもなく、走りやすい気温。
今、吹いているこの向かい風は、品川を折り返せば、追い風に変わるだろう。
まだこの時は、なに一つ不安のない、快適なレースが続いていた。
つづく
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