年間1億円、効率を上げる方法
仕事で発信するメールには、同じ文面の「お決まりの文章」がいくつかあります。
たとえば、以下はその一つ。
佐藤様
いつも大変お世話になります。早速ですが、
申請をいただいておりました、権限の登録が完了し、ご利用できる状態になりましたので、お知らせします。
後続の処理と、関係者へのご連絡をお願いします。
コンピューター・システム部 第二課
佐藤太一郎
この「お決まりの文章」を、一日10通送信するとしましょう。
さて、あなたは、このメールを10通送るのに、どれだけの時間をかけているでしょう。
考えるより、体験したほうが、わかりやすいです。
秒がわかる時計を、パソコンの傍らに置き、
「メモ帳」や「ワード」をたちあげて、上記例の文章を打ってみてください。
はい、どうぞ
さて、何秒かかったでしょうか。
僕は15秒でした。
恐らく、今打ってみた方の中で、15秒で打てた方はいないと思います。
秘密は辞書登録。
ATOKのユーザー辞書に、いつも使う短文を登録しているのです。
いつも →
いつも大変お世話になります。早速ですが、
けんげんの →
申請をいただいておりました、権限の登録が完了し、ご利用できる状態になりましたので、お知らせします。
こうぞくの →
後続の処理と、関係者へのご連絡をお願いします。
CP→
コンピューター・システム部 第二課
st→
佐藤太一郎
「申請をいただいておりました、権限の登録が完了し、ご利用できる状態になりましたので、お知らせします。後続の処理と、関係者へのご連絡をお願いします。」
この文章は、1つの単語として登録できる長さなのですが、メールによっては、文章の展開が変わるため、状況に応じた「短文の部品」として使える範囲を登録しているのです。
コンピューター・システム部 第二課
佐藤太一郎
この2行も、1つの単語として登録できますが、そうすると、マウス操作によって「課」の後にマウスポインターを合わせて、クリックするという時間のかかる動作が発生するため、別々に登録します。
読み の登録ですが
「けんげんの」「こうぞくの」というように、接続詞までを含んでいることに気づかれますよね。
これは「けんげん」「こうぞく」で登録してしまうと、実際に「権限」「後続」だけを変換したい時に、
申請をいただいておりました、権限の登録が完了し、ご利用できる状態になりましたので、お知らせします。
とだらだらと長い文章が出てしまうのを防ぐためです。
人間は、予測できる生き物なので「けんげん」と打てば「権限」が出ると予測して、瞬時にエンターキーを押してしまいます。
申請をいただいておりました、権限の登録が完了し、ご利用できる状態になりましたので、お知らせします。
という意図しない変換候補が出ていても、エンターキーを押す指は止まらないことが多い。
結局、誤変換してしまった長い文章を消すのに、時間がかかってしまうのです。
さて、辞書登録で、どれくらいの時間を節約できるかという話に進みます。
登録語を使ってのタイムは15秒でしたが、それを使わないで打ったところ 60秒かかりました。
1回につき、45秒。
同様のメールを10回で 450秒。
ただし、メールはこの例のパターンだけではありません。
あなたのメーラーの「送信済みアイテム」を見てください。
あなたは、1日平均何通のメールを送信しているでしょうか。
辞書登録により、メール1通あたり45秒短縮
仮に1日30通送信するとすれば、1350秒 22.5分の短縮になります。
サラリーマンの会社で、従業員の時給平均が 2500円とした場合、
1日1人あたり、937.5円の効率アップ。
従業員が1000人の会社ならば、1日で937,500円
年間200営業日として換算すれば、年間で1億8750万円です。
従業員 1万人のマンモス企業ならば、年間10億円の効率アップです。
さぁ、ジャストシステムの法人営業社員の皆さん、このトークでATOKを企業に売りましょう。
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