ハゲ と カツラ野郎
社会人の間で、それだけは言ってはいけないという言葉がある。
君も言われたことがあるかも知れない。
中学か高校の頃。
この年代の頃は、相手の心を突き刺す手段に遠慮がない。
「ハゲ!」
彼らは忌み嫌う気持ちを表現するために、この言葉を投げつける。
額が広い
髪が少ない
そのような場合、九分九厘、中傷の言葉に、それは選ばれる。
頭に傷がある
子供の頃、コタツに潜って、網目模様のハゲがある
そのような場合は、シャレにならないので、この言葉は避けられる。
中学、高校では、言われたほうが、本当に禿げているわけではない。
中傷されたこと自体は気分が悪いが、その言葉ゆえに怒りが頂点に達するということはない。ハゲという言葉に実感がないのだ。
だが、大人には許されない。
ある時、少し表現が違うものの
ある言葉が引き金になった、壮絶な殴り合いを見たことがある。
それは、メーカーと販売店、そこに所属する販売員が合同で参加した慰安旅行。
広い宴会場で、宴会が行われている。
幹事がアサインしたコンパニオンさんと記念写真を撮る者。
販売手法について、熱い議論を戦わせる者。
それぞれが、心地よい酒宴を楽しんでいた時だ。
このカツラ野郎!
一瞬、なにが起きたかわからなかった。
ステージの方を見やると、浴衣の男二人が組んずほぐれつで、もつれ合っている。
これも、幹事が仕込んだ趣向なのかと思うほど、絵に描いたような殴り合い。
そばに居た二人の上司がすぐ割って入り、大怪我に至らなかったのが幸いだった。
若いA君と、中年にさしかかったBさん。
A君が仕事上で気に入らないことがあり、Bさんに文句をつけたのが発端。
初めは軽い口論だったらしいが、かっとなったA君が反則の言葉。
それを言われては、引くに引けないというのが、男のづらさ。じゃなくてつらさ。
パンドラの箱を開けてしまった。
「禿げる」とは、頭髪が減り、頭皮が露出すること。
見た目が貧しくなるため、大半の人は禿げることを希望しない。
人をハゲと罵った中学生、高校生は、禿げを希望するだろうか。
禁句を口走った若者も、やがては歳を取り、自らがその宿命と戦う。
そこで、一日も早く禿げたいという方、禿げるのが待ち遠しいという方へ。
早く禿げるための必勝法を伝授しよう。
5月29日につづく
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