イニエスタが言う正義
CL準決勝第1戦の後、バルセロナのイニエスタがメディアにおもしろいことを語っている。
「正義が認められ、僕らがファイナルに進出できることを願っている」
アンリがペナルティエリア内で引っ張られて倒されたシーンや、チェルシーの選手が接触プレーで蹴りを入れたように見えるシーンを言っているのだろう。
エトー、シャビなど数人のバルセロナの選手が、判定に不満を述べている。
一方、チェルシーの選手は、ノルウェー人のエブレベ主審に対して不満を述べていない。
それは、試合結果が自分たちにとって満足いくものだったからだ。
結果について不満を述べるのは常に敗者。
勝者は何も話す必要がない。粛々と次の課題に向かうだけだ。
勝者にとっては、沈黙が金なのである。
41分、マルケスがボールを外に出そうとしてマルダの前を遮ったシーン。
だが、なかなかボールが出て行かず、結果的に足をかけてマルダを倒した。
明らかにファウル。
だが、審判は笛を吹かなかった。なぜならば、そこがペナルティエリア内だったからだ。
2006年W杯準決勝フランス対ポルトガル戦、アンリが狡猾な倒れ込みで得たPKの1点で勝った。
あれ以来、審判は極力、先制の1点につながるPKを与えない。
それが決勝点になった場合、大変醜いからだ。
プレミアリーグでは、限りなくファウルに近いグレーゾーンの接触に対して、笛を吹いて試合を止めることはない。止めないことで、自らの力でゴールをもぎ取る意識を喚起する。
それが、リーガとの大きな違いだ。
プレミアでは、大げさに倒れる「確信犯ファウル」で試合に勝とうという、さもしいフットボール選手は排除される。
決勝の1点になるPKをもらえなかった。相手が守備的だった。足を蹴られたと嘆き、それが正義だと強弁するメンタリティに勝利はない。
このイニエスタ発言に対して、チェルシーのバラックは
「イニエスタはすばらしい選手であり、そのようなことを言うべきではない」
と評した。
いつまでもお子様のイニエスタに対して、オトナになりなさいというたしなめである。
5月2日
プレミアリーグ フラム home ○3-1
ドログバ、アネルカが互いのパス交換で1ゴールずつを決めた。
アネルカは、得点王争いで、クリスチアーノ・ロナウドに迫りつつある。
デコは、この試合もベンチ入りしていない。
いよいよ、翌週のミッドウィークはバルセロナとの準決勝第二戦。
初戦awayを引き分けに持ち込んでいる。順当にいけば、チェルシーの勝ち抜けは動かないと、この時は考えていた。
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