旧1号がやってきた
旧1号が登場する回は、わずかだった。
その中には、暗闇で複眼が点滅するシーンがある。
ウルトラマンのカラータイマーで「点滅」すなわち「危機」あるいは、クライマックスであるというアンカーが打たれていた僕ら子供達は、いったいこの「点滅」は、何を意味するのかと、どきどきした。
このライトは単3アルカリ乾電池4本でつけている。室内の間接照明として、なかなかクールである。ただし、一晩つけたままにしたら、朝には電池が切れていた。
旧1号の手袋は緑である。
そう思っていたが、実際にはいろいろな色がある。
淡い緑の手袋もあれば、シルバーに見えるものもある。
元々、撮影用に複数のコスチュームがあり、それを撮影する時の天候、カメラの設定によって、色めが大きく変わる。
グローブはマジックテープで留める。ディスプレイして置く時、旧1号はいろいろな姿勢を取り、腕の角度も変わる。その時、いろいろな位置で留められるマジックテープは、とても便利である。そして、この手袋こそが、旧1号の表情を決めているのであるということを知った。
今度、洋服店に行った時、マネキンを観察してほしい。その姿の印象を決めているのは、どこなのか。あるいは、そのマネキンが五本の指を均一に揃えていたら、印象はどう変わるか。
旧1号のブーツは内側にファスナーがついている。バイクのブーツは後ろにファスナーがついているも のが多く、閉めづらい。冬場にウォームスーツを着込んでいる時など、ブーツのファスナーを上げるのに苦労する。
ヨコについている旧1号のそれは、楽な姿勢でファスナーを上げられる。
バイクのブーツは、左足甲に、チェンジペダル操作ですり減らないよう、当て革が付いているが、旧1号のブーツにはついていない。いくつかのフィギュアを確認したが、どれにもついていなかった。
コンバータラングは6つに割れている。筋肉がむき出しになっている姿を見て、僕 らはその強さを印象づけられた。ボディビルという言葉を知るのは、後にミル・マスカラスが来日した時であり、ブルワーカーとの出会いもまだ先だ。
この筋肉はずっしりと厚い。一度、旧1号とハグをしたら、その胸板の厚さに思わず、違う世界にいってしまいそうになるだろう。
子どものころ、当時の資料や雑誌を見て、コンバーターラングがついているジャケットには、中央にファスナーがあることはわかっていた。人間がコスチュームを羽織っているということは一目瞭然。
それでも、誰かが時々「ファスナーついてるじゃん」とつっこんだところで、周りはその意見をスルーした。僕らは夢を見ていたかったのだ。
"もどき"とはいえ、実際にそれを着る日が来るとは思っても見なかった。ジャケットを羽織り、ファスナーを上げる時、身が引き締まる思いと、緊張感に包まれた。
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