電気自動車が近づいていますよモード
■慎重になる理由その2
車対車の衝突事故の可能性。
電気自動車はガソリンで走る自動車よりも速いのである。
2輪駆動ならばそうでもないが、前輪ホイールにもモーターを組み込む、ホイールインモーターでは、時速300kmを超える。
「電気列車」である新幹線が、16両を連ねて 300km/h で走っているのだから、当然といえば当然だ。
ホイールインモーター車の始まりは Eliica。
慶応大学が技術開発。
制作はホンダのF1技術者だった入交昭広が会長を務める東京アールアンドデー。
8輪駆動で、すべての車輪にモーターを仕込んで駆動する。
2003年11月、東京モーターショーに出品。
2004年10月2日、NHK総合が特集番組を放送。
三菱自動車が、このEliicaに興味を示していることが紹介された。
番組では、三菱スポーツの雄「ランサーエボリューション」との加速競争で Eliica が楽々勝利していた。
Eliicaが特筆に値するのは、100円で100km走れるという経済性と、スポーツカーを凌ぐ性能を両立させているところ。
トヨタが世界をリードするハイブリッドカーと共に、日本の輸出頭に育つ可能性がある。
最高速は抑えた仕様で発売するとしても、加速のよさは抑えようがない。
信号からの発進で、前の車につっこむ事故が想定される。
■慎重になる理由その3
人をはねる事故、歩行者、自転車とのトラブルの可能性。
電気自動車の特徴の一つに「静かさ」がある。
通行人は、低速で走っているハイブリッドカーが後ろから接近しても、気づかない。
ガソリンエンジン車でも、気づかない人のほうが多い。
日本のガソリンエンジンの車は、低速では大変静かなのだ。
ましてや、電気自動車。音がしないのだから、通行人は気づきようがない。
「電気自動車が近づいていますよ」ということをチャイムで知らせる「路地走行モード」を作ればよいが、そんな洒落のわかる人が、果たして三菱にいるだろうか。
狭い路地の真ん中を行く通行人、自転車。
クラクションを鳴らせばトラブルになるし、そもそも無闇に鳴らしてはいけないもの。 ヨコをすり抜けようとする電気自動車と歩行者、自転車の事故がどれだけ起こるか。
「実験の拡大」に止める理由は、これら3点と推察する。
法人向け発売は 2009年7月頃。
急速充電器の設備が整っている首都圏の「身内」法人で実験を行い、データを取る。
それを分析しながら、準備を進めて、一般個人向け販売は早くても2010年。遅ければ2011年とみた。
本体価格予想390万円。
政府の補助が100万円として、実勢価格予想は290万円。
三菱iの最も高いグレードが145万円だから、差額はおよそ150万円。
ガソリン代-電気代=150万円
いったい、どれだけ走ったら差額が 150万円になるか。
150万円で買えるガソリンは13,513リットル。 *111円で計算。
燃費 10kmのクルマで 13万5千キロ。
仮に電気代がタダとしても、最低13万5千キロ走らなければ、元は取れない。
元をとれる人は、一般個人には、あまりいないと思われる。
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