小笠原人形と録音テープ
MLB、欧州サッカー、欧州のモータースポーツ、どの衛星中継を見ても、ヒーローインタビューは流れない。
一方、日本には、ヒーローインタビューがある。
野球に始まり、サッカー、ボクシング、プロレス。。。
どんなスポーツにもある。
プロレスだけはWWFがインタビューを通り越して、リングで寸劇までやっているが、あれは日本でラッシャー木村が始めたマイクパフォーマンスを、ヒントにしているのだろう。
これは大変よい趣向である。
応援する側が勝利した場合、ファンの誰もがその余韻に浸りたい。
お金を払い、会場に足を運んだ人へのサービスとして、そして、選手とファンのむすび付きを高める意味でも、このイベントはすばらしい。
一方、敗者の側となったファンは、このインタビューをボイコットし、そそくさと席を立つという、無言の抗議ができる。
もしも、プロ野球にヒーローインタビューがなければ、試合の行方が決した時点で多くのファンが家路を急ぐことになり、場内ビール販売店の経営が傾くだろう。
ヒーローインタビューは、勝者側のファンにとって本来、至福の時間なのだ。
ところが、そのインタビューがつまらない。
東京ドームで観戦した場合、サインボールの投げ入れがなければ、インタビューは聞かずに帰りたい。
神宮では迷わず、電車の駅をめざす。
選手が流ちょうに話す欧州サッカーやモータースポーツの会見とは違い、このインタビューは、聞き手の質問に対して、選手の答えは1フレーズどまり。
「ぶつ切り会話」なのだ。
巨人小笠原は、年間を通して
「ありがとうございます」
「ファンが打たせてくれました」
「一歩一歩、足下を踏みしめてがんばります」
・・この3フレーズを繰り返している。
これならば、かつてアンジャッシュがやっていた「ピーポくん」ネタ同様、小笠原人形を立てて、録音テープを流しても同じだ。時々、順番を間違えたりしながら・・・
小笠原は、本来、語彙が豊富で、言葉を大切にする選手。
しかし、今のヒーローインタビューでは、あれ以外に答えようがない。
なぜ、日本プロ野球の選手は、こんなに口数が少ないのか。
その原因は、プロ野球のヒーローインタビューが、漫才を原点としていることにある。
インタビュアーがツッコミ
選手がボケ
いつの頃からか、できあがった漫才方式。
インタビュアーに言わせれば「選手の口数が少ないから、小出しの質問を次々に聞かざるを得ない」ということになる。
一方、選手に言わせれば「聞き方が悪いから、あれ以外に答えようがない」ということだろう。
これは、選手の言い分が正しい。
次にその論拠となる一例を挙げよう。
「気持ちを聞かせてください」
ヒーローインタビューの聞き手が、選手を困らせるために繰り返す質問。
つづく
| 固定リンク | 0
「スポーツ」カテゴリの記事
- サッカーも時間を止めたらどうなるだろうか? 時間稼ぎの抑止として「計時の透明化」をお願いしたい(2025.04.13)
- 快晴の国立競技場トラックを「ひよこ」の皆さんが42.195mを駆け抜けた!(2025.01.27)
- 長崎平和マラソン開催 J.LEAGUE春秋制終了 2025年にしらべるが注目するできごと(2025.01.15)
- V・ファーレン長崎が決勝でFCバルセロナと対戦する日(2025.01.07)
- J.LEAGUEクラブが「世界一をゴールに設定」できる大会が2025年から始まる(2025.01.06)