世界を驚かせてやろうぜ
ワールドカップ第19回大会は、2010年6月に 南アフリカで開催される予定である。
前回ドイツ大会から前回優勝国の予選免除特権がなくなり、前回 2006年ドイツ大会優勝のイタリアも、欧州予選を戦っている。
開催国の南アフリカだけが予選を免除されるが、南アフリカ代表チームは、アフリカ選手権予選として、W杯アフリカ2次予選4組に参加する。
過去すべての大会において、開催国は決勝トーナメントに進んでいる。
開催国が所属するA組は、相対的に弱い国が集められて、なんとか開催国が長く大会にとどまれるように応援する。
今回は、アジアからA組に入る国があるだろう。
大会ポスターのアフリカ大陸の図柄には、FCバルセロナのサミュエル・エトーの顔が描かれている。
FCバルセロナは、かつて、北米、アジアにマーケティングの重点を置いていたが、現在はアフリカにも力を入れている。
2007-08オフには、グラディオラが新監督就任の会見で「ロナウジーニョ、デコ、エトーは戦力外」と言った。
アフリカで開催される大会の顔であるエトーを、バルセロナが追い出すわけがない。
恐らく、グラディオラは原稿を読み間違えたのだろう。
あるいは、言うだけ言わないと気が済まないと思っていて、メディアに向けて干すことで、エトーに初心に返れというメッセージを送ったのかも知れない。
エトーは数シーズン不調だったが、今シーズンは心機一転、リーガ得点王レースの先頭を走っている。
2004年5月15日、FIFA理事会
2010年大会の開催地を、モロッコ、エジプト、南アフリカの候補三国から、南アフリカに決定。
2007年11月25日、各大陸 予選組合せ抽選会
● 1組 ポルトガル、スウェーデン、デンマーク、ハンガリー、アルバニア、マルタ
● 2組 ギリシャ、イスラエル、スイス、モルドバ、ラトビア、ルクセンブルク
● 3組 チェコ、ポーランド、北アイルランド、スロバキア、スロベニア、サンマリノ
● 4組 ドイツ、ロシア、フィンランド、ウェールズ、アゼルバイジャン、リヒテンシュタイン
● 5組 スペイン、トルコ、ベルギー、ボスニア・ヘルツェゴビナ、アルメニア、エストニア
● 6組 クロアチア、イングランド、ウクライナ、ベラルーシ、カザフスタン、アンドラ
● 7組 フランス、ルーマニア、セルビア、リトアニア、オーストリア、フェロー諸島
● 8組 イタリア、ブルガリア、アイルランド、キプロス、グルジア、モンテネグロ
● 9組 オランダ、スコットランド、ノルウェー、マケドニア、アイスランド
*一番左が第一シード、その次が第二シード
シードとは、組合せ決定時に、実績のあるチームが同じ組に固まらないためのもの。予選が始まればシードの特権はない。
2008年9月3日、各大陸予選開幕
2010年6月、開幕
ポルトガルが参加する欧州予選からの、大会出場枠は 13。
欧州は32分の13で 40% を占める。欧州のレベルの高さから言えば、60%あってもおかしくない。
欧州予選には、52の国と地域が参加、9組に分かれて戦う。
まず、各グループ1位の9チームは、自動的に出場権を獲得する。
つづいて、各グループ2位のうち、成績がよい8チームでプレーオフ。
そのうち4チームが出場権を獲得する。
つまり、グループ3位ではノーチャンス。
そして今、ポルトガルはその3位なのである。
3月28日
W杯2010欧州予選 HOME スウェーデン△0-0
勝ち点6 スウェーデンと共に、首位で並ぶデンマーク、ハンガリーと 勝ち点4差の3位。
故障勝ちでプレミアリーグを休んでいたデコは、この試合に62分から出場。
驚いたことに、背番号「16」をつけていた。
予選は残り5試合。
もはや、W杯出場は 黄色を通り越して赤信号だ。
ポルトガルが出ないということは、デコもクリスチアーノ・ロナウドも、2010年の夏をリゾート地または、自宅で過ごすことを意味する。
そんな、つまらない大会は1試合たりとも、見る気がしない。ましてやデコにとって、W杯出場は2度目にして、恐らく最後の機会でもある。
ポルトガルに赤信号が灯った同日、ホームで 1-0 の勝利を得た日本はアフリカ大会出場に王手をかけた。
W杯とは、この程度で行けるものなのか。
アジア予選と欧州予選、いったい、どれだけ緩さが違うのか。
アジア枠の4.5は 半分以下の2で十分だ。
「世界を驚かせてやろうぜ」
と監督が言っている国は「なんで、こんなチームが予選を通ったんだろう?」と、逆の意味で世界を驚かせるかも知れない。
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