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2009年6月 7日 (日)

キーパーが2人いるチームは強い

さて、チェルシー対バルセロナの準決勝第2戦。
この試合は、キーパーが片方のゴールエリアに2人いると、なかなか手強いと言うことを、初めて学ぶゲームとなった。

それは、90分を終えて配色濃厚だったバルセロナが、93分に追いつき、形勢を逆転した直後に起きた。

バルセロナのゴールエリアには「1」番をつけたキーパーと「9」番をつけたキーパーがいて、チェルシーの「1」番は自らのエリアを留守にして、フィールドプレーヤーとなってゲームに参加していた。

グラウンド上にいたキーパーは確かに2人なのだが、2人ともバルセロナのゴールを守っていた。これは手強かった。
美しいフットボールのクラブ、バルセロナが、また新たなフットボールの扉を開いた瞬間だった。

メディアが大きく取り上げていたジェラール・ピケの手にボールが当たったハンドは、不可抗力と言えなくはない。
しかし、終盤、あと数秒守り切れば勝ち抜けという場面で「9」番のキーパーが見せた、手にボールを当ててシュートをブロックした行為は、本能的とはいえ、明らかなファウル。
あれをハンドにしないということは、来期のチャンピオンズリーグでは
「フィールドプレーヤー10人も、ゴールエリアでは手を使って良い」というルールになるのだろう。
サッカーは2010-11シーズンから、新たな展開を迎えることになる。

ニュースでは「絶対PK」と確信をもって伝えられているピケのハンドよりも、前半でマルダが倒されたシーンに笑った。

エリアの中で倒されたマルダ。
これはスルーだな・・と思ったら
ファウル。しかも外からのFK
ドリフのコントかと思った・・・

PKの笛を吹き損ねた「お返し」にアウベスに、累積3枚めのイエローを出したり、何もしていないアビダルに一発レッドを出したり・・・
よく、こんな挙動不審者が、CL準決勝の笛をまかされたものだ。

いずれにせよ、勝った方が勝ちということだけだ。
どんな「手」を使ってでも、勝ったのはバルセロナ。
事実、チェルシーは自らのプレーで決勝点を奪えなかったし、イニエスタは自らの技術でゴールをねじ込んだ。
チェルシーが判定に泣いたことは事実だが、バルセロナが勝ったことが史実だ。

アスリートは相手を打ち負かす努力をする。
そして、一度戦いが終われば、競い合った相手を尊重するのが一流。
そこで、相手の価値を否定するのは二流。
試合が終われば、相手は讃えるためにある。

かつて、決勝で負けた相手バルセロナに対して、散々ぶーたれたアーセナルのベンゲルとアンリのような、相手を貶める発言がなかったのは、とてもよいことだった。



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