上手なプレゼンとは?
上手なプレゼンとは何か?
それは、下手なプレゼンを裏返すことである。
まず、前提となるのは、必要最小限の人数で、プレゼンの場に臨むことだ。
「システムの全容」「プログラム仕様」「運用の実態」など、それぞれの観点から専門的に語れるメンバーを揃える。
まちがっても、エライだけの人や、質問にも答えられない新人を連れて行かないことだ。
ただし、その新人が女性の場合だけは、歓迎されたりする。
プレゼンする側も、それを見透かしていて、そういう狙いが見え見えの女性を連れてきたりする。
事前準備は、スライドショーの整備に尽きる。
スライドショーができたら、まず一度、身内のレビューで、練習する。
そこで、自分が喋っている内容で、スライドショーに記載されていないことを見つけて、それを全部、書き込む。
営業の基本は、嘘をつかないことだ。
お客様に隠し事をしない。
正直、正ちゃんでなければならない。
「この数字は秘密です、オフレコですから資料に書いてません」
というような姑息なトークは古い。
そんな、いやらしい駆け引きをちらつかせる人とは、信頼関係は築けない。
その場で、帰って欲しいと思う。
スライドを作る時に、忘れてはならないのは、ページ番号と項番を振ることである。
ページ番号を振っていないような担当者は、信用できない。
そういう人は、几帳面さゼロ。
導入した後、何かにつけて、ザルな仕事に悩まされるのは、間違いない。
実際に、こういう人の会社は、後々「言った 言わない」が格段に多い。
項番を振っている人は、とても少ない。
「つづいて、真ん中あたりに、書いてあります 仕様について・・」
などと言われると、がっかりする。
数百万、あるいは、一千万を超える買い物をするという時に、
「真ん中あたり」はないだろう。
項番は、1、 1-1 、1-1-a
というように、すべてのページで、階層の一貫性が守られていなければならない。
1の表題の下に、また1が出てきて、今ドコを話してるの?と聞くと
「え~っと、 下の1です」
とやっている人がいる。
お笑い芸人か!と思う。
プレゼンは、スピーカー(プレゼンで話す人)のつかみで全てが決まる。
「自社の概要から・・ と言いたいところですが、本日は皆様、お忙しいなか、貴重なお時間を頂いています。
自社宣伝は、ばっさりカットしまして、本題から入りたいと思いますが、よろしいでしょうか?」
とやれば、そこで、一気に聞き手の心をつかむことができる。
「本日は 1時間いただいていますので、初めの30分はデモをご覧いただき、
残りの 30分で、ご質問をいただきながら、実際の運用について、ご一緒にお話をしていきたいと思います」
「導入後のイメージを話す」のは、営業の基本である。
百科事典の販売をするセールスマンも、ジャパネットたかたの高田社長も然り。
一流のセールスマンは、買ったことを前提にして、買った後のイメージを膨らませる話をする。
一方的に話を聞く60分は苦痛である。
30分は聞くけれど、あとの 30分は好きなことが言える。聞きたいことを聞ける。
そういう空気を作らなければならない。
一気に30分、しゃべり切るほうが、言いたいことが伝わってよいが、説明する枚数が多い時は、途中で区切って質問を受ける。
その時は、あらかじめ
「2章の データ移行手順 まで終わりましたら、いったん、そこで、ご質問をお受けします」
と宣言しておく。
「途中でばんばん質問してください」 などと言う、八方美人なスピーカーは軽くみられるだけである。
自ら制限時間を設けているので、スライドショーに書いていないことまで、脱線する時間はない。
自分のトークに酔うヒマもない。
決められた時間よりも、10%程度 早めに終わるプレゼンは、好印象が残る。
聞き手が求めているのは、安くて品質の高いモノ・サービス。
上手な「説得」は要らない。
理路整然とした「説明」があれば、それでよい。
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