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2009年7月 2日 (木)

なに、ねむてゃーこと、ゆーとりゃーす

【 河村たかしを追っかけるがね 第11回 】

 2009年8月か9月に行われる見通しの総選挙。
 愛知1区の公認候補者は、地元と民主党本部の間で、人選が難航していた。

 6月23日、候補者に選ばれたのは、現役の愛知県議会議員 佐藤夕子。
佐藤は、河村たかしの元・秘書。
 この人選は民主党にとって、ヒットである。

 佐藤夕子は2007年の愛知県議会選挙で初当選。
 議員になる前は、平凡な主婦だった。

 佐藤が掲げた公約は2つ。
1、政務調査費の領収書を1円から公開する
2、費用弁償を受け取らない

 政務調査費は愛知県議会の場合、毎月50万円、年間600万円が支給される。
 事務所の家賃、車のリース代を払ってもよいし、家族を秘書に雇い、給料を支払うこともできる。
 本来は、必要経費という性格のものだが、事実上の給与と言える。

 愛知県議会では、3万円以上の領収書だけを公開すればよい。
 例えば、29,999円の壺を買っても、29,999円で焼き肉を食っても、公開しなくてよいのである。
 佐藤はそれを「1円から公開する」ことを公約にして、当選した。

 公約を守るのは、政治家の責務である。
 だが、民主党は、佐藤が公約を守ることを認めようとしなかった。
 費用弁償を受け取るように説得し、圧力をかけたのである。

 これが、嫌がらせをしたのが他党の議員というならば、話はわかる。
 だが「公約を守ってはいけない」と言っているのが、所属政党なのだから、なんともやるせない話だ。
 どのような圧力があったかは、河村たかし著「この国は議員にいくら使うのか」角川書店 に詳しいので、読んでいただきたい。

 それでも、党籍を除名されることはなく、県議会議員をつづけていた佐藤。
 愛知県と名古屋市、立場は違うものの、河村たかしの同志としての活躍を祈っていたところ、 なんと「衆議院」に声がかかった。
 民主党は、佐藤起用によって、河村たかしが守ってきた「愛知1区」を防衛する公算が高まった。

 庶民に受ける公約を言わせて、議席を得たら、手のひらを返して、公約遵守を妨害。
 そうやって、干した議員を、政権交代が見えてきたら、今度は衆議院の手札に使う。
 その手腕は見事だ。

 来る衆議院選挙、河村たかしファンとしては、一番の注目選挙区は愛知1区。
 佐藤はどんな公約を掲げるのか。
 そして、その公約が主婦目線のものであれば、当選後、それを実行できるのか。
 あるいは「なに、ねむてゃーこと、ゆーとりゃーす」と言いたくなるような、ぬる~い公約でお茶を濁すのか。

 そして、佐藤の公約遵守を民主党が妨害した一件と似たようなことは、名古屋市議会でも起きていた。

河村たかしを追っかけるがね 目次

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