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2009年7月22日 (水)

対岸のガンダム、貸し切り

 2016年に東京に五輪を招致するために、アイツが立ち上がった。

 船の科学館、フジテレビのすぐそば、お台場の潮風公園にすっくと立ったのが、世界中のオタクの憧れ、ガンダムである。

 こうなると、五輪招致委員に、何人オタクが紛れ込んでいるかで、勝負は決するだろう。

 巨大なアイツを写真に収めたい。そう思うのが人情ってものだ。公開は8月31日までであり、悠長にしてはいられない。かと言って、芋を洗うような人混みには、出かけたくない。

 そこで、作戦を練る。

 潮風公園の位置をネットで検索すると、公園が海べたにあることがわかる。海を隔てた最短距離の場所は、入国管理局がある品川埠頭である。巨大なアイツのことだ。対岸からでも、その勇士は際だっていることだろう。

 さっそく、車に望遠レンズと三脚を積み込み、港区港南をめざす。海岸に車を停めれば、そこは特等席。誰にも邪魔されない。

 脳内には早くも、お台場にそびえるビル群に、忽然と現れたあいつの絵が浮かんでいる。

Gunhtb

画像は脳内イメージです。

 車は目的地にたどり着いた。
そこには、人っ子一人いない。
やった!ガンダム貸し切り!

G0

だが、そこには埠頭の施設があり「立ち入り禁止」の看板。
海岸線までは、まだ1区画分、距離がある。

車を降りると、さっそく準備にとりかかる。
立ち入り禁止の看板のヨコに三脚を立て、望遠レンズをとりつけた一眼レフをセットする。
たった一人で、港湾施設に向けてカメラを向けていると、テロリストに間違われはしないだろうか。
スナイパーと思われて、撃たれるのではないか。
佐世保の暮らしが長い人は、海べたの施設に向けてカメラを向けたら、撃たれそうな気がするのである。

アイツの姿を探す。
いた。

G1

想定した通り、海べたにその勇士を誇っている。
障害物はない。
港湾労働者のおじさんが、自転車でこちらに向かってきたが、まったく無視された。
恐らく、このあたりには、日頃からスナイパーが出没するのだろう。

望遠レンズで、最大限に拡大して、アイツの勇士に迫る。

G2

飛行機を迎撃するアイツ

G3

巨大な舟に体当たりするアイツ

G4

水上バスを踏みつぶすアイツ

G5

そういえば、さっきから、アイツはずっと、向こうばかりみている。

おい、ガンダム、こっち向いてくれ!

何度、呼びかけても、アイツの反応はない。

これ以上粘っても、状況は変わりそうにない。それなれば、スナイパーに長居は無用だ。

早々に、機材を撤収して、任務を完了とした。

G6

 後で写真を確認して初めて、足下の白い物体が、アイツの信奉者の皆さんだとわかった。

 それにしても、この作戦は消化不良だ。このままでは終われない気が、しないでもない。

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