河村さん、官僚もほんなに簡単じゃねーて
【 河村たかしを追っかけるがね 第17回 】
官僚になるには、国家公務員第Ⅰ種試験に合格しなければならない。
Ⅰ種は地方公務員でいえば上級にあたる。
国家公務員第Ⅰ種試験を経て官僚となっている人は、俗称でキャリア career と呼ばれている。
career の意味は「経歴」である。
キャリアにはスペル違いで別の言葉もある。
【 carrier 】 電話会社 電気通信事業者
【 carrier 】 保菌者。伝染病の感染歴がある人。
官僚は、東京大学などの "入学の敷居が高い" 大学で学び、よく勉強をして 国家公務員上級試験に受かった人たち。
このことからして、官僚は「試験の成績が良いだけの頭でっかち」と思っている人がいるかも知れない。
だが、それはまちがい。
まず敷居が高い大学に入る時点で、高校卒業つまり18歳までに十分な努力をしている。
オトナになってから努力に目覚める人は多いが、子どもの頃から努力する才能を持っているということは、その才能を持たない人と大きな差がある。
大学に入ってからの努力も並大抵ではない。
授業だけではなく、国家公務員を目指す課外授業や、民間の学校に通う必要がある。
時間をやりくりすれば、まったく遊ぶヒマがないということもないが、とても大学=楽園のようなのんびりムードは味わえない。
そして狭き門、国家公務員Ⅰ種に受かったとする。
それで、めでたく官僚になれるかというと違う。
比較するために、同様の狭き門「司法試験」のケースを挙げる。
司法試験合格
↓
司法修習を受ける ~1年4ヶ月間(立場は公務員)
*修習内容
裁判修習・検察修習・弁護修習 をすべて受ける。
↓
卒業試験
↓
合格
↓
進路を各自が決める
*裁判官、検察官、弁護士 何になるかを自分で決める。
↓
採用
裁判官、検察官は採用枠が少ないので、多くは弁護士に流れる。
弁護士は弁護士事務所に就職する。自分で事務所を開設してもよい。
国家公務員Ⅰ種も、司法試験と同様、試験合格からが本番の「就職活動」
まず第1希望から第3希望までを決めて、指定日に面接をうける。
あとは感触を探りながら、どの省庁をめざすかターゲットを絞っていく。
めでたく採用されるには、その省庁だけで6回の面接をクリアしなければならない。
頭でっかち、または魅力の乏しい人間が、この面接をクリアするのは難しい。
官尊民卑の打破、政治主導への転換。
そう叫んでいる人たちがいるが、官僚は優秀な人たちであるということを前提として確認しておかなければならない。
これまで、情けなかったのは政治家であり、官僚ではない。
官僚は戦後の日本経済で一度も経済破綻を起こしていない。
米国債を使って世界経済を下支えする仕組みを運用しており、世界中の人々の暮らしを支えている。
公務員が日頃どのような成果を挙げているかについては、報道はいちいち取り上げない。
メディアにとって、公務員が地道にいい仕事をするのは「当たり前」であり、とりあげる対象としての優先順位は低い。
【 河村たかしを追っかけるがね 】 は、毎週木曜日に掲載しています。
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