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2009年8月20日 (木)

かわらなかんのは国民もじゃんね

【 河村たかしを追っかけるがね 第17回 】

 政治家は、官僚とタッグを組み、協力を得ながら、自分のやりたいことを法律に変えていく。
 ある特定の分野に精通し、その中央省庁の官僚と密接に連携する議員は「族議員」と呼ばれる。
 ここで「族議員」ときくと、悪党だと思う人が少なくないだろうが、それはまちがい。
 族議員は、特定の省庁の政策に通じていて、その官僚の力を十分に引き出しながら、法案を作っていく。
 族議員が悪く言われるのは、その中に利権を私的流用する人がいたためだ。
 それは一部であり、全部ではない。
 ただし、今の仕組みでは、誰もがその「悪い族議員」になる可能性をはらんでいる。

 官僚=優秀な人材に向かって、
 「もう、おまえらに主導権は渡さないよ」 と言う政治家。
 「君たちの力が必要だよ。責任はこちらでとる」と言う政治家。
 どちらが、国のために理にかなったことを言っているだろう。

日本は・・・
GDP世界2位
内需総額世界2位
政府の金融資産総額世界1位
国民の金融資産総額世界1位
失業率は先進国最低
人口あたり殺人事件数 米国の5分の1
人口あたり窃盗事件数 米国の2.5分の1

 官僚がお膳立てをして、政治家が憲法に則り、法律にする。
 それが、戦後の長い時間をかけて、できあがった 「日本の仕組み」 なのだ。

 「官僚政治の打破」を叫ぶのは一見格好はいいが、逃げ道が多い。
 会議の仕組みを替えるだけではない。
 総理大臣が、官僚と真っ向から対峙しなければ「政治主導」はあり得ない。
 悪い族議員はダメだが、真っ当な族議員が多数いなければ、日本のしくみが機能しなくなる。

 政治と官僚が敵対的に対峙すれば、官僚は全能を駆使して静かな抵抗を試みる。
とりあえず、次の総選挙まで、4年持ちこたえればいい。

 「官僚が協力してくれたら」
 「財源が確保できたら」
 こうした「たら付き」の公約を言うのはたやすい。
 失敗しても「たら」のせいにできるからだ。

 一方 「自らがどうあるか」を言うには、そうとうな覚悟が必要となる。
 「自分はこうします」という約束は、ごまかしが効かない。
そして、それこそが本気の公約だ。

 「もしも、河村たかしが民主党の党首だったら・・・」
 この政権交代を賭けた総選挙で、どんなマニフェストを出しただろう。


 各党のマニフェストをみて、本気で国民のために働こうとしている政党か?
見分ける方法がある。
 それは、これから挙げる2つの公約を掲げるかどうかだ。

1,政党助成金の撤廃

 1994年に法律が変わり、今は税金から政党にお金が出ている。
 予算は国民一人あたり250円。年間320億円(1年あたり)が議席に応じて配分されている。

 これは、日本人の「天引き体質」だ。
 "概論には賛成するし、組織(ここでは国)を信頼している。ただ、自分で仕組みをよく理解して判断するのはめんどいから、任せるで、天引きしといてちょー" という考え方。

 そうやって、国民が政治を政治家と官僚にまる投げしているのが、今の日本だ。
 一人250円といわれれば、珈琲1杯。
 まぁ、政治にはお金がかかるのは仕方ないから、1年に珈琲一杯分くらい、天引きしといていいよ。と思う人が多いだろう。

 政治は国民が変わらなければ変わらない。
 街頭インタビューで「政治?誰がやっても変わらないよ」と言っている人は、まちがっている。
 政治を変えるのは、票を持っている有権者なのだ。

 河村たかしは政党助成金について、著書「この国は議員にいくら使うのか」でこう書いている。

 選挙の度に「税金の無駄遣いを1円からなくします」と叫んでいるくせに、その無駄のなかに自分は入っていない。

 政治屋から足を洗い、政治家になろうと思う真っ当な党であれば、これを公約に掲げる。
 逆にいえば、政党助成金撤廃を掲げない政党は、既得権益に甘んじて、旧態依然の政治をこれからも続けていけると、高をくくっている人たちだ。

 自らの腹が痛まないことは、なんとでも言える。自らの腹が痛むことを言っているのはどの政党かを、有権者は注目するとよい。

【 河村たかしを追っかけるがね 】 は、毎週木曜日に掲載しています。

河村たかしを追っかけるがね 目次
http://silabel.o.oo7.jp/kyoyo/kawamura_index.html

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